コミュニケーションは、言語だけではありません。
うなずきは、同意の意味です。
首を振ると、拒否のサインになります。
笑顔の効果は、古くから心理学で研究がされてきました。
最も強いコミュニケーション力を持つのが笑顔です。
しかし、笑顔が苦手な人もいるでしょう。
そんな人たちは、どうすれば良いのでしょうか?
心理学の研究は、「顔のうなずきが魅力を高める」ということを見つけました。
このような言語以外のコミュニケーションを「ノンバーバルコミュニケーション」と言います。
ノンバーバルコミュニケーションは、言語以外ですから、表情だけではありません。
絵文字やLINEの既読スルーでさえ、ノンバーバルコミュニケーションのひとつです。
目次
顔のうなずきは最大で40%の魅力を高める
北海道大学の研究者らは、顔のうなずきが人の印象に、どれほど影響するかを検証しました。[※]
うなずく人は、「好ましさ」「近づきやすさ」「魅力」が、通常よりも最大40%ものポジティブな印象を与えます。
私たちも、たびたび顔をうなずく人は、印象が良いと感じています。
それは「同調」というサインが、印象を良くしているからです。
この研究は、「相手に良い印象を与える」というテクニックの他に、ロボットの動作などにも応用ができます。
ロボットにとって意味のない動作も、「人間とのコミュニケーションでは、欠かせない」ということです。
ロボットにも、やはり笑顔が必要なのです。
研究は、日本以外だと不明
前述の研究は、お辞儀をする文化圏で有効です。
したがって、欧米などの文化圏で、どれほど効果があるかは、研究されていません。
うなずきが同意を意味し、首振りが拒否を意味するのは、世界で共通です。
ある程度は、世界でも通用するかもしれません。
また実験には、女性の顔が使われています。
次は、男性や異なる文化圏で、さらなる研究が進められるでしょう。
動作が意志を変えることに注意
しかし、あまりにも「うなずき」が多いと、自分の意志を変えてしまう恐れがあります。
別の実験では「うなずくだけで、相手のメッセージに同意してしまう」という心理効果が見つかっています。
これは「笑顔を作れば、楽しい気分になる」という心理効果に似ています。
「動作や表情が、自分の意思まで変えてしまう」というのは、脳科学でも古くからある有名な話です。[※]
- 「笑顔を作れば、楽しい気分になる」という有名な研究は、最近では「わずかである」という説が有力です。
うなずくだけで、「相手の言っていることが正しい」と、思い込んでしまうのです。
意志決定は、天秤(てんびん)のようなものです。
ちょうどつり合っている状態が、意志決定では迷いを意味します。
そんなとき、ちょっとした動作を加えただけで、意志が傾くのです。
何もかも「うなずけば良い」というのではありません。
自分の意志を変えてしまい、無意識に同調する可能性があるからです。
さて、あなたは相手に興味があり、近づきたいと思いますか?
その場合、顔のうなずきは、相手を引き寄せることができることでしょう!