「電話は人の時間を奪う」というのが、社会のムードになっています。
確かにコミュニケーションツールとしては、電話よりもLINEなどのチャットツールが優れています。
現代社会において「対面で会って話をする」という行為は、非常に贅沢なコミュニケーション方法です。
対面は、相手との距離感を縮めさせることができます。
しかしビジネスでは、何かを売ろうとする方が、あなたに近づいてるだけかもしれません。
電話はどうでしょうか?
最近の心理学によって、電話の思わぬメリットが見つかってます。
目次
声は相手の感情を正確に読み取ることができる
イェール大学(アメリカ)の研究者は、「声」が「相手の感情を正確に読み取ることができる」という発見をしました。[※]
この研究には、驚くべき発見があります。
それは「相手と会って話をするよりも、声に注目した方が、相手の感情を読み取ることができる」ということです。
なぜでしょうか?
これは「視覚情報」が、相手の感情を読むのに、邪魔をしていたと、考えられています。
つまり、声だけに集中することで、相手の感情を正しく読むことができたのです。
声の要素
声には、以下の要素があります。
- 話すスピード
- 声の高さ(低さ)
- 話すテンポ
これらによって、感情を読み取ることができます。
もし単調で低い声であれば、あなたは疲れていると判断するでしょう。
チャットやメールの短所
前述の研究が示すように、電話には、相手の感情を読み取り、「共感することができる」というメリットがあります。
チャットやメールは短文です。
ほとんどの人は、怒りを感じている時、「私は怒っている」と、わざわざ文章にはしません。
逆に「怒っていない」にも関わらず、文面から怒っているような感情を読み取ることもあります。
これらは正確ではありません。
顔文字とLINEのスタンプ
顔文字やLINEのスタンプは、 感情を伝えるツールです。
しかしこれらからは、複雑な感情を読み取ることはできません。
どちらかと言えば「文字だと固くなる」という理由で使われるものです。
ビジネスメールの非効率
メールはビジネスで使われるため、様式やマナーが含まれます。
場合によっては、電話よりも双方の時間を奪うことがあります。
電話は、次々に柔軟な意思決定を下すことができます。
しかし、ビジネスにはチャットワークが優れています。
チャットワークをやめてまで、電話に切り替える必要はありません。
ただし電話は、相手の状況を素早く把握することができます。
結局のところ使い分けが必要です。
対面で相手が分かると思ってはいけない
多くの人は、より相手を知ることができるのは、電話より対面だと信じています。
自分を過信しているのです。
会った方が、その人を理解できると信じています。
「会えば分かる」という思考は、とても危険です。
なぜなら、人を騙すような詐欺師ほど、対面で会いたがるからです。
詐欺師にしてみれば、相手に会えば勝ちなのです。
電話だけ強気な人
対面では礼儀正しいのに、電話だと無礼な人がいます。
これは「相手に見られない」ことで、「相手の気持ちを考えなくても良い」という心理作用が働くからです。
実際にハイファ大学(イスラエル)の研究では、周囲の目に触れないことが、オンラインでの人格を悪くする一番の要因だと分かっています。[※]
「見られていない」ということは、相手の顔色をうかがう必要がなく、自分をさらけ出すことにつながる恐れがあります。
これらは自分で気づけないため、普段から注意が必要です。
最後に
「相手の時間を奪うから」という理由で電話を避ける人は多いでしょう。
しかし、相手の感情を読み取り、共感するという点では、電話が優れたコミュニケーションツールです。
LINEのコミュニケーションはラクですが、お互いの感情を省くことがあります。
もし友人が落ち込んでいるならば、 電話を使って話を聞いてあげると良いでしょう。