Webデザインに4KモニターはNG!? Webデザイナー向けモニターの選び方

Webデザイナーのモニター選び

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WebデザイナーやHTMLコーダーのひと向けに、最適なモニター選びを紹介します。

私は普段、Webデザインやコーディングの仕事をしているのですが、4Kモニターで失敗しました。
現在は、作業モニターではなく、サブモニターとして使っています。

それらの経験を生かし、どのモニターが最適なのかを解説します。
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4Kモニターで失敗

4Kモニターは、通常のフルHDモニターに比べると、ドットが小さくなります。
iPadやiPhoneでおなじみの「レティナ・ディスプレイ」と同じイメージです。

私が購入したのは、Dellの27インチ4Kモニターでした。

最初は評価が高かったのですが、1年で四隅が消えるトラブルが起きました。
(他の人がレビューにも書かれてますよね)

今回は、上記モニター固有のトラブルではありません。
4KモニターがNGなのは、ドットの大きさ問題です。

等倍のピクセルが表示できない

27インチで4Kモニターだと、文字が小さくなります。
とても4K(3840×2160)では、作業ができません。

そこで、ほとんどの人は、疑似解像度を使います。
27〜29インチだと、2560×1440ピクセルが最も見やすい解像度です。

Macの疑似解像度設定

しかし、ピクセル等倍の問題が出ます。
下図は、当サイトで使われている画像です。

通常モニターと4Kの文字を比較

左側、通常のHDモニター(1920×1080)では、くっきり表示されています。
しかし、4K疑似解像度では、わずかにぼやけています。

等倍の画像を貼っても、4Kモニターでは確認が困難です。

4Kモニターでも等倍で貼れば、ぼやけない

もちろん、4Kモニターでも4K解像度(3840×2160)で作業すれば、画像はぼやけません。
しかし、これだと画像が小さすぎて、等倍かどうかの確認ができないのです。

4KモニターでHD解像度(1/2)にしても、ぼやける

4Kモニターで、2分の1の解像度だと、どうでしょうか?
実は、ぼやけてしまうのです。

通常モニターと4K-HDの文字を比較

1/2の縮小であっても、等倍表示は、ぼやけてしまいます。

HTMLコーディングをする人は、注意が必要です。
画像サイズが変更されているのに、width(横幅)とheight(縦幅)の修正に気づかない可能性があるからです。

疑似解像度でスクロールが重くなる

4Kモニターは、他にも問題があります。
疑似解像度での動作です。

4Kモニターを使う場合、もっとも作業しやすい解像度は2560×1440です。
疑似解像度を使うと、グラフィック処理が必要になるため、動作が重くなります。

スクロールすると分かりやすいのですが、カクカクします。
Illustratorを使うと、作業するのにストレスが掛かります。
また、ツイッターのスクロールですら、気になります。

もちろん、4K解像度(3840×2160)のまま作業すれば、スムーズです。
しかし、文字が小さすぎて作業自体が困難です。

グラフィックカード(GPU)の性能次第で、疑似解像度の重さは、回避できます。
とはいえMacBook Proでも、グラフィックカードを搭載してなければ、非常に重く感じます。

スクリーンショットが大きすぎる

4K解像度(3840×2160)でスクリーンショットを撮ると、非常に大きなサイズになります。

そこで疑似解像度にするのですが、それだと文字が少しぼやけます。

ぼやけるのが気にならなければ4Kモニターもあり

等倍ピクセルの問題が気にならない場合、4Kモニターを選ぶのも良いでしょう。

当サイトは、タイトル画像だけ、1280×720ピクセルです。
そこから800ピクセルに縮小しているので、文字やイラストがぼやけています。

最近は、スマホサイトがメインとなっています。
そのため、PCの画像は、あまり重視されないかもしれません。

スマホのレティナ対応をしつつ、PCでクッキリ表示させるには、2倍のサイズにしてください。
当サイトは800ピクセルの横幅なので、1600ピクセルの画像にすると綺麗に表示されます。

当サイトでは、データ容量が重くなるので、800ピクセルにしています。
そのため、スマホで閲覧すると、若干ぼやけて見えます。

Webデザイナー向けモニターの選び方

前述の通り、Webデザインに4Kモニターは不向きです。
そこで、Webデザイナー向けモニターの選び方を解説します。

選ぶポイントは、以下の通りです。

  • サイズは27インチ〜32インチ※重要
    最も作業しやすいサイズは、27インチ〜32インチです。かなり広い作業領域にもかかわらず、視線の移動が少なくて見やすいです。横に長かったり、大きすぎるモニターは避けてください。視線移動が増え、アプリも使いづらくなります。
  • 解像度はWQHD(2560×1440)※重要
    フルHD(1920×1080)だと、作業領域が狭く、作業効率が落ちます。オススメは、縦が1440ピクセルのWQHDです。快適にデザイン作業ができます。
    メインモニターだけは、WQHD解像度を選びましょう。
  • パネルはIPS※重要
    IPSパネルは、見る角度を変えても、見た目が均一になります。
    デザインでは、必須の項目です。
    TNモニターは安価ですが、デザインには使いません。
  • 非ゲーミングモニター
    ゲーミングと書かれているモニターは、リフレッシュレートが高いモニターです。
    Webデザインには意味がなく、高価になるだけです。
    もちろん、ゲームにも使う場合は、ゲーミングモニターもありです。
  • できればUSB端子つき
    USB端子は、やはり便利です。USBハブを買えば良いので、なくても問題はありません。
  • 高度な色設定は不要
    高度な色設定ができるモニターは、その設定自体が大変です。
    下手に設定すると、一般的なモニターでの表示より、暗くなってしまいます。
  • ノングレアタイプを選ぶ
    これは好みの問題です。グレアタイプだと、顔の映り込みが気になることがあります。

これらを踏まえると、以下のモニターが候補になります。
Amazonのレビューは、グレードが違うモニターでも、一緒になっているのでご注意ください。

Amazonでは、以下のようにグレードを選ぶ項目があります。必ずグレードを確認してから購入しましょう。

Amazonのグレード選択画面

BenQ AQCOLORシリーズ 27型デザイナー向けモニター

このモニターは、もっともコストパフォーマンスに優れ、必要な機能がすべて揃っています。
縦型に回転できるので、セカンドモニターとしても使いやすいです。

デザイナー向けとありますが、実際にはWebデザイナー向けです。
紙のデザインをする場合は、より品質の高いEIZOなどのモニタを選びましょう。

※Webデザイン用途で使用する場合は、モニタ設定の解像度を2560×1440に合わせましょう。

安心のナナオ品質ですが、それなりに値段がします。
それでも、モニターは使用期間が長いので、EIZOのモニタはオススメです。

※レビューに動きがカクカクすると書かれていますが、おそらくDVI端子(30Hz)を使っていると思われます。リフレッシュレートは60Hzなので、通常のモニターと同じスムーズな動きです。
このあたりはAmazonレビューが信頼できないところです。

EIZOのモニタが優れているのは、ギラギラ感のない自然な発色です。
これは昔から目が疲れにくいと言われているEIZOモニタの利点です。

しかし、最近のモニタはギラつきが少なく、DELLやBenQのモニタでも良好な発色です。
モニタを比べるテストは難しいため、保険としてEIZOのモニタを買う人が多いです。
(目の疲れが気になる人は、プラセボであっても選ぶ価値があります)

モニタの品質はナナオが最高峰です。
失敗したくない人はEIZOモニタを買うのが最も安全です。

Dell モニター 27インチ S2719HS

最近、DELLはサポートの問題などで、悪いイメージが付いています。
それでも、モニターとしてのブランドは安定しています。

私はDellのモニターを購入して2年ほどで四隅のカケが発生してしまいました。3年保証とありましたが、製品が古いとのことで交換が不可となりました。

サポート対応はともかく、Dellのモニターは最も無難な選択肢です。

文字が大きいiiyama 31.5型 XB3270QS-B2

27インチのWQHD(2560×1440)は、最も見やすいサイズです。
これよりも、文字が大きいのを選ぶ場合、31.5型のモニタがオススメです。

ただし、Webデザインでは、一般的な表示で確認するのが大切です。
文字が大きいので、小さなフォントサイズを使ってしまうことがあります。

WQHDモニターで作業すると、ユーザーが閲覧するモニターの大きさを忘れてしまいます。
Webデザインで確認するときは、ノートPCなどの小さなモニターも考慮しましょう。

ウルトラワイドってどうなの?

ウルトラワイドモニターは、どうでしょうか?
実際の使い心地は、モニター2台の方が便利です。
1台壊れたときも対応できるのと、アプリを分けて使うのに便利です。

アプリの画面を最大化したとき、広すぎます。
逆に作業効率が落ちます。

しかし、モニター2台を嫌う人も多いので、1台で済ませたい人には便利です。

紙のデザイナーはキャリブレーション付きを買うべき?

紙のデザイナーは、高価なキャリブレーション付きモニタを買うべきでしょうか?
私は、いろいろなデザイナーを知っていますが、誰もキャリブレーション付きモニタは使っていません。

印刷会社で色が異なるからです。
基本的には、印刷会社にて色を合わせるべきです。

また、Webデザインと両立しようとすると、厄介な問題があります。
それは、キャリブレーションして色を変えてしまうと、一般的なモニタと色が変わってしまいます。

とくに印刷用に合わせると、色が暗くなる傾向です。
したがって紙のデザイナーも、普通のモニタで十分です。

リフレッシュレートの高いゲーミングモニタは?

ゲーミングモニタは、リフレッシュレートが高いことで、画面がなめらかになります。
仕事の用途では、コストパフォーマンスが悪くなるのでオススメできません。

リフレッシュレートが高くなると、目に入る情報量が増えるため、Webの閲覧などは逆に疲れてしまいます。
その場合は、リフレッシュレートを60Hzにすると良くなりますが、通常のモニタと同じ品質になります。

仕事とゲームでリフレッシュレートを変えれば、一つのモニタで使い回せます。

ゲーミングモニターの購入はこちらから。(アマゾンリンク)

画面がなめらかになるから良さそうに思えますが、スクロールが多いと目が疲れます。
つまり、文字を読むのには適していません。

一方でペンタブなど絵を描く用途では、反応が良くなるので使い心地が上がります。

Macの場合はアップルシリコン(M1)搭載でないと、リフレッシュレートを高くできないので意味がありません。

最適なモニターを選んでください

私は4Kモニターを買ってしまったので、今はセカンドモニターとして使っています。

それでも、Youtubeの4K動画を見ると、圧倒されます。
WQHDでも、かなり美しいのですが、4Kは没入感が違います。

フォートナイトなど、FPSゲームをする上では、4Kよりもリフレッシュレートが高いモニターを選ぶと良いでしょう。
例えば、フルHDの240HzやWQHDの144Hzです。

クルマのゲームでは、4Kの60FPS(60Hz)は、レベルが違う体験をもたらします。

4K 120Hz以上のモニターは、まだまだ現実的な値段ではありません。
PS5などを購入予定の方は、少し待っても良いでしょう。

もちろん、Webデザイン目的であれば、60Hzで問題ありません。
1台をWebデザイン作業として使い、もう1台のセカンドモニターは、ゲームと兼用するのもありです。