最近、海外メディアで「テクノストレス」という言葉を見つけました。
テクノストレスとは、コンピュータ技術によって、引き起こされるストレスのことです。
テクノロジーの進化にともない、人間は仕事や、生活習慣が劇的に変わりました。
コンピュータの処理能力が高い分、人間側がついて行くことができないのです。
そして近年では、SNSによるストレスが大きくなっています。
これはe-ストレスと呼ばれることもあります。
SNSには、「健康や精神に有害な影響がある」という数多くの研究があります。
しかし、考えてみると不思議です。
私たちは、SNSに夢中になり、SNSがないと、さみしい気分になります。
夢中になっているのですから、ストレスとは逆のはずです。
この矛盾は、どこにあるのでしょうか?
目次
ソーシャルメディアは有害か?
現状では、SNSが精神的に有害な研究報告は多数あり、否定するのが難しい状況です。
それでも研究報告は、相関関係[※]です。
- 統計であって、原因とは確定していない。
SNSばかり夢中になっていると、睡眠時間が削られてしまいます。
また、深夜に見ることで、ブルーライトの影響もあり、体内時計が崩れる可能性があります。
このように、要因は様々です。
SNSの精神的なメリット
SNSには、精神的なメリットもあります。
社会問題心理学研究協会に掲載された研究報告があります。[※]
[※]
この研究によると、「SNSを使って、積極的なコミュニケーションをしているユーザーは、社会的な繋がりを感じる」というメリットがあります。
また、このメリットは、幸福感に繋がります。
SNSの何が悪いか?
それでは、SNSの何が悪いのでしょうか?
前述のように、SNSが有害なのは、統計であって原因とは限りません。
他には、何が考えられるのでしょうか。
ひとつは、他人と比較することです。
▼関連記事
他人の生活を知らなければ、自分の生活を知ることはできません。
しかし、SNSの投稿は、承認欲求にあふれています。
誰もが最高の部分を切り取って、SNSに投稿します。
それを見た私たちは、他人の投稿が重みになるのです。
ネガティブな情報が頭に残る
私たちの脳は、ネガティブな情報を残すようにできています。
「危ない場所に近づかない」という生存本能があるからです。
また、人間には、社会との繋がりが必要です。
社会から嫌われないため、ポジティブな情報よりも、ネガティブな情報が役に立つのでしょう。
SNSでは、ネガティブ情報の共有が多い傾向にあります。
これは単純に、ニュースはネガティブが多いからです。
人は本能的にネガティブニュースを好むため、ポジティブな話題はニュースになりません。
しかし、ニュースではなく、個人の情報であれば、その傾向は逆転します。
実際に、身の回りで起きたネガティブなSNSの投稿は、非常に少ないという研究データがあります。[※]
不運な出来事や、自分の失敗を共有することは、ほとんどありません。
これにより、「自分よりも他人の方が良い人生を送っている」と誤解するのです。
SNSのストレスを防ぐ方法
1,000人以上を対象とした大規模調査によって、フェイスブックから1週間離れた人は、人生の幸福感が高いことが判明しています。[※]
まずは、SNSから離れることで、ストレスの回避はできるようです。
ストレスを回避して依存する
「SNSでストレスを受けたユーザーは、同じSNS内でストレスを回避する」という最新の研究報告があります。[※]
例えばフェイスブックです。
フェイスブックによってストレスを受けたユーザーは、(ストレスを回避するため)フェイスブック内のゲームアプリや、ニュースフィードに移動するのです。
これでは、依存を促進します。
SNSの運営側は、このように依存させる仕組みを日夜考えています。
自社SNSを長く使ってもらうために、飽きさせないのです。
しかし、「飽きない」という言葉は魅力的ですが、実際は「依存させる」という言葉と同じです。
ある程度の意志は必要
SNSは、ゲームのように、人々が夢中になる設計がされています。
ただし、ゲームと違って、飽きることができない仕組みになっています。
したがって、自然にSNSから離れることはできません。
離れるためには、自制心を鍛える必要があります。
▼参考記事
環境を変えるか、自己意識を強くするか、いずれにしても何かしらの努力は必要です。
SNSを上手く使う
前述のように、SNSにはメリットがあります。
積極的なコミュニケーションをしているユーザーは、そのメリットを最大限に受けられます。
SNSは、受け身にならない使い方をするのがベストです。
そうは言っても、現実のコミュニケーションと、SNSのコミュニケーションは、共通点が多いです。
そもそもコミュニケーションが苦手な人は、どうするべきでしょうか?
SNSから少しだけ離れて、距離をとりましょう。
- SNSのミュート機能を使う
- タイムラインをリスト化して整理する
- 同じスキルレベルの人をフォローする
- スマホのログアアウトして、PCでのみ使用する
- 土日だけ使わない(リアルの生活を大切にする)
SNSのタイムラインは、コミュニティです。
同じスキルレベルの人がいるコミュニティほど、過ごしやすくなります。
いきなりプロの世界に入っても、誰も楽しむことはできません。
SNSを置き換えることが大切
SNSから離れた時間を有効活用できるかは、自分次第です。
それでも自己肯定感を満たすためには、何もしない静かな時間を過ごすのが良いでしょう。[※]
- 瞑想は、自己肯定感を見たし、創造性をアップできます。
SNSを適度に使う分には、何も問題ありません。
仕事や勉強中、およそ15分で集中力が切れることがあります。
その時、SNSを見て、戻って来られるなら、全く問題ありません。
一度、SNSを使っている自分を見直すことで、SNSと上手く向き合えるでしょう。