「好きなことで生きる」という時代が来ています。
とはいえ、好きでなくても、仕事をすれば、お金を得ることができます。
魅力的なのは、好きなことをして、お金を得ることです。
欲と言えば欲ですが、多くの人は「お金を得るには?」ということから考えます。
その答えは簡単で、スキルを磨けば、お金に換わります。
しかし、ほとんどの人は、スキルを磨く段階であきらめます。
その理由も単純です。
「本当に好きなこと」を見つけられていないからです。
目次
あなたのフロー状態を見つける
時間を忘れるほど、夢中になったことはありますか?
ゲームや遊び、仕事でも時間を忘れることがあります。
これを心理学では、「フロー体験」と言います。
アスリートや経営者は、ゾーンと呼んでいます。
人間は、時間が長く感じる時もあります。
例えば、カップ麺を準備するときです。
お湯が湧くまで、鍋をじっと見つめてください。
3分間であっても、最も長く感じる3分間です。
フローは、この逆です。
楽しいかどうかの感情はさておき、時間を短く感じるほど、あなたはフロー状態に入っています。
「夢中になれる」というのは、好きなことである可能性が高いです。
時間感覚は、前頭前野で処理されるからです。
そのため、時間を忘れるほど、没頭できるのです。
才能とフロー状態
フロー状態は、私たちが才能と呼ぶものに近いです。
才能のひとつは、適性です。
もうひとつの才能は、ひたすら打ち込めることです。
つまり、フロー状態の才能こそ、長く続き、結果が出やすくなります。
適性=才能の考え方だと、続けることができません。
どんなに適正があっても、いずれは継続している人に抜かされるのです。
そうであれば、継続できることを探すべきです。
夢中で打ち込めることを探してください。それが才能です。
「才能は適正である」という考えを捨てましょう。
楽しいという感情を切り離して
「楽しい」「うれしい」という感情を切り離してください。
仕事で夢中(フロー)になっている時、充実感があるにも関わらず、「楽しい」「うれしい」といった感情はありません。
それは、仕事だからです。
しかし、フロー状態にあるため、終わってみれば充実感が残ります。
ゲームで夢中になるのと、仕事で夢中になるのは、同じフロー状態です。
仕事と違うのは、「感情が違うだけ」ということに気がつきます。
趣味で描く絵と、仕事で描く絵は、感情が違います。
趣味で描く絵は、楽しいと感じるでしょう。
しかし、仕事だと思うだけで、「楽しい」という感情に気づけなくなります。
ゲームは10割楽しいかもしれません。
しかし仕事は、どうやっても2〜3割は楽しくないことが起きてしまいます。
この2〜3割の印象が強いのです。
「仕事とは楽しくないもの」という思い込みを捨てましょう。
好きと承認欲求は違う
仕事には、承認欲求を得る仕事と、学習を得る仕事の2つがあります。
「好きを仕事にする」というキャッチコピーは、魅力的かもしれません。
承認欲求が得られるような気分になるからです。
「プロ」という言葉が付くだけで、あこがれの対象になる職業もあります。
(羨望と妬みは紙一重です)
夢中になれないことで、承認欲求を得ようとすると、上手く行きません。
スキルを得る前に、挫折するからです。
好きと承認欲求を分けてください。
好きのために努力できるか?
デザインが好きなデザイナーは、デザインだけなら何時間でもやってしまいます。
フロー状態になるからです。
フロー状態を経験するほど、スキルも上がります。
ところがデザイナーの仕事は、デザインだけではありません。
打ち合わせをしたり、(フリーランスなら)請求書や見積もりの作成があります。
ユーチューバーも、撮影以外に編集作業があります。
そのため、「好きなことのために、努力できるか?」という視点が必要です。
好きと努力のバランスが崩れると、やはり挫折しやすくなります。
どうしても楽しくない作業の印象が脳に残るので、フロー状態にある楽しい自分を思い出してください。
厳しいアスリートの世界
アスリートは、本当に厳しい世界です。
サッカーや野球が好きでも、毎日のトレーニングは苦しいからです。
上手くルーティンを取り入れるしかありません。
ルーティン化することで、嫌なことでも続けられるようになります。
フローを見つける
あなたのフローを見つけてください。
普段の仕事に、フローが隠れていることがあります。
プログラマーでも、簡単なデザインをすることがあります。
このとき、デザインをするのに、夢中になるかもしれません。
隠されたフローは、デザインだったのです。
次に「どうすればフローの割合を増やせるか?」を考えてください。
夢中になれない仕事を減らし、好きな仕事を増やしてください。
まだフローが見つかっていなければ、やったことがないものにチャレンジしましょう。
もうひとつの科学的な方法
好きを見つけるには、大きな敵が存在します。
それは「好きではない」という「思い込み」です。
例えば、コックは男性向きの職業だと、すり込まれた場合です。
料理が好きでコックになりたい女性は、コックの訓練を楽しむことができません。
この偏見は、現実に存在します。
どこかに「どうせ向いていない」というバイアスが掛かってしまうのでしょう。
また、学校でイヤな経験をした場合、「好きではない」という思い込みが生まれてしまいます。
スポーツが好きなのに、体育の先生が嫌いで、授業が楽しめなかった。
このような場合に、「好きではない」という間違った思い込みが起こります。
これが実際に起こるのかを検証した研究報告があります。[※]
このオハイオ州立大学による研究では、それが実際に起こることに加え、思い込みを防ぐ方法まで見つけています。
1人称視点を持つこと
実験の参加者は、数学や科学に関するシミュレーションゲームをプレイしました。
参加者らはプレイ後、他人に撮られた写真と、自分の視点で撮られた写真を見せられます。
自分の視点で撮られた写真を見せられた人は、「好きではない」という思い込みがありませんでした。
実際に好きなことを「好き」と判断でき、好きではないことを「好きではない」という正しい判断ができました。
つまり、思い込みがなくなり、好きを見つけることができたのです。
経験を思い出してください
実際に写真を撮るのは、難しいかもしれません。
単純でよい方法があります。
思い出すとき、1人称の視点で、体験を思い出してください。
そして、他人の顔を思い出すのではなく、自分が何かをしている映像で思い出してください。
本当に興味があるかを見つけることができます!