私たちは、我慢が苦手です。
しかし、人間は生きるために、我慢が必要です。
動物も我慢を知っています。
野生のリスは、貯食行動と言って、クルミなどの食糧を蓄えます。
冬に備えて、目の前にある食糧を我慢しているのです。
私たち人間は、世の中が便利になるにつれて、我慢ができなくなっています。
では、どうすれば良いのでしょうか?
今回は「我慢ができない人」が知るべきルールと、衝動性を改善する方法を説明します。
衝動性は、自分で抑えることができます。
目次
我慢できるかを調べるマシュマロテスト
![心理学のマシュマロ・テストとは](https://tabilens.jp/wp-content/uploads/2018/10/marshmallow-test.png)
心理学には「マシュマロテスト」という実験があります。
この「マシュマロテスト」では、2つの選択肢が与えられます。
- すぐに1個のマシュマロが与えられる
- 15分待てば、マシュマロが2個に増える
上記の選択肢を、幼少期の子どもに選んでもらいます。
これは「我慢ができるか」というテストです。
もちろん15分待って、2個のマシュマロを選ぶ方が優れています。
IQにも反映される
マシュマロテストは、IQの高さと相関します。
15分待って、2個のマシュマロを選ぶ方が、「高いIQになる」という傾向があります。
マシュマロテストを人生に置き換える
マシュマロテストを人生に置き換えると、我慢することの意味が見えます。
あなたの努力は、すぐには報われません。
マシュマロ(報酬)は、地道な努力のあとに受け取ることができます。
この法則があるため、コツコツと努力することが苦しくもあり、賞賛されるのです。
人生にはマシュマロテストの考えが必要
私たちは、すぐに報酬が得られると、気分が良くなります。
そして報酬が得られるまで、時間が掛かるほど、苦しくなります。
これは多くのアスリート、ミュージシャン、有名人が経験するでしょう。
地道な努力がすぐに報われないので、モチベーションを維持するのが難しくなります。
しかし、マシュマロテストの意味を知っていれば、どうでしょうか?
すぐに報酬が得られないことを知っていれば、その覚悟ができます。
目標や夢を持ったときは、必ず心得てください。
「それは、すぐに得られない」
「でも、やる」
そう覚悟を決めることで、モチベーションを維持するのに役立つでしょう。
フィードバックがないと我慢できない
![フィードバックと我慢の関係](https://tabilens.jp/wp-content/uploads/2018/10/feedback.png)
人間には、フィードバックが必要です。
フィードバックとは、結果が返ってくることです。
「ボールを投げたときに、左に大きくそれてしまった」
あなたは、「左にそれた」というフィードバックを、視覚から受け取ります。
そして、次は「右に寄せよう」と、筋肉をコントロールします。
フィードバックは、この繰り返しです。
ボールが右にそれたら、左に寄せようと調整します。
こうやって、すぐのフィードバックを受け取っている間は、まったく苦になりません。
まるでゲームのように、あなたは熱中するからです。
アスリートに我慢が必要な理由
筋肉を鍛えることでさえ、見た目に反映されるのは、時間が掛かります。
つまり、「フィードバック」に時間が掛かるのです。
「フィードバック」が遅いと、我慢が必要です。
アスリートたちは、トレーニングや練習に対して、すぐにフィードバックを受け取ることができません。
私たちは、急激なデジタル化で、即時のフィードバックが当たり前だと感じています。
時代が進むにつれて、ますます我慢できない環境に変化しています。
我慢とは、遅いフィードバックに耐えることです。
そして「成功できるか」「勝てるか」という不安に負けたとき、人は挫折します。
我慢できるようになるには?
![衝動性を鍛える](https://tabilens.jp/wp-content/uploads/2018/10/impulse.png)
「我慢ができない」とは、衝動的な行動をするということです。
衝動性を抑える方法があります。
まず、簡単なことから我慢してください。
具体的な例は、以下の通りです。
- お菓子を減らす
- 足を組むのをやめる
- スマートフォンを手の届かない所に置く
- ゲームの時間を減らす
- テレビの時間を減らして読書をする
- SNSを見る時間を決める
ただし「音楽を聴く」は、我慢しないでください。
音楽を聴くことに、悪い影響はありません。
ちょっとだけ、悪い生活習慣を修正するだけです。
すべてを一気に実行する必要はありません。
衝動性は筋肉のように鍛えられる
衝動性は、筋肉に似ています。
少しずつ鍛えれば、大抵のことは、我慢できるようになります。
動物の脳は、慣れるように(扁桃体で)プログラムされているからです。
我慢しすぎると、反動が強くなる
我慢しすぎないでください。
反動が強くなってしまいます。
あまりにも我慢をさせられると、大きな反動となって、反社会的な行動に走ってしまいます。
それでは本末転倒です。
また、我慢によって生まれた苦痛を「飲酒」や「タバコ」などで、解消しようとします。
そうなってしまっては、体に悪い影響があります。
ですから、日常生活で小さな我慢をして、自分自身を鍛えてください。
結果が出るスケジュールを知る
![結果が出る日のスケジュールを立てる](https://tabilens.jp/wp-content/uploads/2018/10/schedule.png)
あなたの「努力が報われる日」を計画してください。
年月日を設定する必要はありません。
「何をすれば」「どんな結果が返ってくるか?」を想定してください。
良い結果も、悪い結果も、フィードバックです。
フィードバックさえあれば、結果が悪くても目標を維持できます。
我慢できる子どもに育てるには?
高校受験、大学受験では、思春期にも関わらず、やりたいことを我慢することになります。
この時期までに、小さな我慢を繰り返し、衝動性を鍛える必要があります。
まずは日常生活で、工夫をしましょう。
「お菓子はいつでも食べることができますか?」
「お菓子を食べる時間を決めてください」
「次は勉強後に食べられるようにしてください」
「もしくは勉強するほど、ちょっと豪華なお菓子が食べられるようにしてください」
しかし、我慢のさせすぎは厳禁です。
反抗が強くなり、悪い行動を引き起こします。
すぐにフィードバックを与える
子どもに対しては、すぐにフィードバックを与えてください。
「単なる感想」が最も効果的です。
「えらいね」ではなく「ママはうれしい」というように、感想をフィードバックしましょう。
もし、相手が他人であれば「あの人も喜んでいるよ」と教えてくあげてください。
最も悪いのは「様子を見て何もフィードバックしない」ということです。
これでは、子どもが「良い行動」か「悪い行動」なのかを自分で判断できません。
ときには「悪いフィードバック」も必要です。
ただし、コツがあります。
「ママはそんな子になって欲しくない」と、子ども側の視点に立って、教えてあげてください。
単純に抑制するよりも、相手の目線に置き換えた方が効果的だからです。
これはマーケティングでも使われる心理効果です。
お小遣いのルールを工夫する
おこづかいのルールを工夫するのも、ひとつのアイデアです。
マシュマロテストのように、待てば金額が多くなるように設定します。
例えば「1日20円」か「1ヶ月1,000円」の小遣いを選ばせます。
1日20円を渡すと、1ヶ月で600円です。
400円も損すると教えてあげれば、「1ヶ月1,000円」を選択するでしょう。
結論&まとめ
我慢ができるようになるには、以下のことを心がけてください。
- 「報酬(マシュマロ)が遅いことを覚悟してください」
- 「衝動性を鍛えてください」
- 「結果が出るスケジュールを知ってください」
- 「フィードバックをしてあげてください」
私たちの衝動性は、自分で鍛えることができます!
![](https://tabilens.jp/wp-content/plugins/tkama_gtag-finish-read/images/tkama_gtm-spacer.gif)