「我慢できない人」が知るべき4つの改善方法

がまんできない

私たちは、我慢が苦手です。

しかし、人間は生きるために、我慢が必要です。

動物も我慢を知っています。
野生のリスは、貯食行動と言って、クルミなどの食糧を蓄えます。
冬に備えて、目の前にある食糧を我慢しているのです。

私たち人間は、世の中が便利になるにつれて、我慢ができなくなっています。

では、どうすれば良いのでしょうか?
今回は「我慢ができない人」が知るべきルールと、衝動性を改善する方法を説明します。

衝動性は、自分で抑えることができます。

我慢できるかを調べるマシュマロテスト

心理学のマシュマロ・テストとは

心理学には「マシュマロテスト」という実験があります。

この「マシュマロテスト」では、2つの選択肢が与えられます。

  1. すぐに1個のマシュマロが与えられる
  2. 15分待てば、マシュマロが2個に増える

上記の選択肢を、幼少期の子どもに選んでもらいます。
これは「我慢ができるか」というテストです。
もちろん15分待って、2個のマシュマロを選ぶ方が優れています。

IQにも反映される

マシュマロテストは、IQの高さと相関します。
15分待って、2個のマシュマロを選ぶ方が、「高いIQになる」という傾向があります。

マシュマロテストを人生に置き換える

マシュマロテストを人生に置き換えると、我慢することの意味が見えます。

あなたの努力は、すぐには報われません。

マシュマロ(報酬)は、地道な努力のあとに受け取ることができます。
この法則があるため、コツコツと努力することが苦しくもあり、賞賛されるのです。

人生にはマシュマロテストの考えが必要

私たちは、すぐに報酬が得られると、気分が良くなります。
そして報酬が得られるまで、時間が掛かるほど、苦しくなります。

これは多くのアスリート、ミュージシャン、有名人が経験するでしょう。
地道な努力がすぐに報われないので、モチベーションを維持するのが難しくなります。

しかし、マシュマロテストの意味を知っていれば、どうでしょうか?

すぐに報酬が得られないことを知っていれば、その覚悟ができます。

目標や夢を持ったときは、必ず心得てください。

「それは、すぐに得られない」
「でも、やる」

そう覚悟を決めることで、モチベーションを維持するのに役立つでしょう。

フィードバックがないと我慢できない

フィードバックと我慢の関係

人間には、フィードバックが必要です。
フィードバックとは、結果が返ってくることです。

「ボールを投げたときに、左に大きくそれてしまった」
あなたは、「左にそれた」というフィードバックを、視覚から受け取ります。
そして、次は「右に寄せよう」と、筋肉をコントロールします。

フィードバックは、この繰り返しです。
ボールが右にそれたら、左に寄せようと調整します。

こうやって、すぐのフィードバックを受け取っている間は、まったく苦になりません。
まるでゲームのように、あなたは熱中するからです。

アスリートに我慢が必要な理由

筋肉を鍛えることでさえ、見た目に反映されるのは、時間が掛かります。
つまり、「フィードバック」に時間が掛かるのです。

「フィードバック」が遅いと、我慢が必要です。
アスリートたちは、トレーニングや練習に対して、すぐにフィードバックを受け取ることができません。

私たちは、急激なデジタル化で、即時のフィードバックが当たり前だと感じています。
時代が進むにつれて、ますます我慢できない環境に変化しています。

我慢とは、遅いフィードバックに耐えることです。

そして「成功できるか」「勝てるか」という不安に負けたとき、人は挫折します。

我慢できるようになるには?

衝動性を鍛える

「我慢ができない」とは、衝動的な行動をするということです。

衝動性を抑える方法があります。

まず、簡単なことから我慢してください。
具体的な例は、以下の通りです。

  • お菓子を減らす
  • 足を組むのをやめる
  • スマートフォンを手の届かない所に置く
  • ゲームの時間を減らす
  • テレビの時間を減らして読書をする
  • SNSを見る時間を決める

ただし「音楽を聴く」は、我慢しないでください。
音楽を聴くことに、悪い影響はありません。

ちょっとだけ、悪い生活習慣を修正するだけです。
すべてを一気に実行する必要はありません。

衝動性は筋肉のように鍛えられる

衝動性は、筋肉に似ています。
少しずつ鍛えれば、大抵のことは、我慢できるようになります。

動物の脳は、慣れるように(扁桃体で)プログラムされているからです。

我慢しすぎると、反動が強くなる

我慢しすぎないでください。
反動が強くなってしまいます。

あまりにも我慢をさせられると、大きな反動となって、反社会的な行動に走ってしまいます。
それでは本末転倒です。

また、我慢によって生まれた苦痛を「飲酒」や「タバコ」などで、解消しようとします。
そうなってしまっては、体に悪い影響があります。

ですから、日常生活で小さな我慢をして、自分自身を鍛えてください。

結果が出るスケジュールを知る

結果が出る日のスケジュールを立てる

あなたの「努力が報われる日」を計画してください。
年月日を設定する必要はありません。

「何をすれば」「どんな結果が返ってくるか?」を想定してください。
良い結果も、悪い結果も、フィードバックです。

フィードバックさえあれば、結果が悪くても目標を維持できます。

我慢できる子どもに育てるには?

高校受験、大学受験では、思春期にも関わらず、やりたいことを我慢することになります。
この時期までに、小さな我慢を繰り返し、衝動性を鍛える必要があります。

まずは日常生活で、工夫をしましょう。

「お菓子はいつでも食べることができますか?」
「お菓子を食べる時間を決めてください」
「次は勉強後に食べられるようにしてください」
「もしくは勉強するほど、ちょっと豪華なお菓子が食べられるようにしてください」

しかし、我慢のさせすぎは厳禁です。
反抗が強くなり、悪い行動を引き起こします。

すぐにフィードバックを与える

子どもに対しては、すぐにフィードバックを与えてください。
「単なる感想」が最も効果的です。

「えらいね」ではなく「ママはうれしい」というように、感想をフィードバックしましょう。
もし、相手が他人であれば「あの人も喜んでいるよ」と教えてくあげてください。

最も悪いのは「様子を見て何もフィードバックしない」ということです。
これでは、子どもが「良い行動」か「悪い行動」なのかを自分で判断できません。

ときには「悪いフィードバック」も必要です。
ただし、コツがあります。

「ママはそんな子になって欲しくない」と、子ども側の視点に立って、教えてあげてください。
単純に抑制するよりも、相手の目線に置き換えた方が効果的だからです。
これはマーケティングでも使われる心理効果です。

お小遣いのルールを工夫する

おこづかいのルールを工夫するのも、ひとつのアイデアです。
マシュマロテストのように、待てば金額が多くなるように設定します。

例えば「1日20円」か「1ヶ月1,000円」の小遣いを選ばせます。
1日20円を渡すと、1ヶ月で600円です。
400円も損すると教えてあげれば、「1ヶ月1,000円」を選択するでしょう。

結論&まとめ

我慢ができるようになるには、以下のことを心がけてください。

  • 「報酬(マシュマロ)が遅いことを覚悟してください」
  • 「衝動性を鍛えてください」
  • 「結果が出るスケジュールを知ってください」
  • 「フィードバックをしてあげてください」

私たちの衝動性は、自分で鍛えることができます!