愚痴の心理。自分もストレスになる理由

愚痴の心理

誰もが知っているように、不満を自分の中に溜め込むのは、 精神的に良くありません。
吐き出した方がラクになります。

多くのケースではそうです。

しかし、完璧主義の人は、愚痴を言うことで、悪いストレスになる場合があります。

そこで心理学の研究[※]を元に、愚痴がどのような影響を及ぼすか説明します。

完璧主義の人は愚痴がストレスになる

多くの人がこのように思っています。

愚痴を吐き出すことで、気分が改善される。

しかし、少なくとも完璧主義の人は、愚痴を吐き出すと、逆にストレスを受けます。

これは、 不満や失敗を口にすることで、その時の記憶が蘇るからです。
自分自身を下げてしまう行為なので、気分が落ち込みます。

完璧主義だからこそ、自分の非を認めることができないのです。
もともと「他人に頼るのを嫌う」という、完璧主義ならではの性格もあります。

他にも以下のような特性が、悪い影響を与える要因です。

  • 挫折を頻繁に経験しないため耐性がない
  • 目的を達成しても満足しない

完璧主義の人は「受け入れること」が苦手なので、 自らの愚痴でストレスを受けてしまうのです。

自分へのストレスになる

完璧主義の人でなくても、愚痴はストレスになります。
これは、愚痴を吐き出すことで、一時的な気分の良さを手に入れるからです。

この「気分の良さ」は、継続しません。

さらに、愚痴には「攻撃性」があります。
愚痴が多いと、自分を改善するより、相手を攻撃することに意識が向いてしまいます。

そして、愚痴を言っても「相手には届かない」ので、長期的にはストレスとなって、自分に返ってきます

結局、思い出してストレスになるだけ。

相手にもストレスを与える

他人の愚痴を聞いて、良い気分になる人はいません。
友人同士なら、無償で愚痴を聞くことになります。

せめて、「愚痴を聞いてくれたことへの感謝」は、忘れないようにしましょう。

愚痴を言わない方法

愚痴は、自分だけでなく、他人にもストレスを与えます。
できれば、辞めるべき習慣です。

愚痴を言わない方法は、あるのでしょうか?

心理学の研究によって、以下の3つが効果的だと判明しています。[※]

  • ポジティブに解釈を変える(リフレーミング)
  • 物事を受け入れる
  • 失敗をユーモアに変える

最も良いのはリフレーミング

心理学のリフレーミングとは、視点や解釈を肯定的に変えるという手法です。
失敗や不満を、肯定的に解釈するだけです。

リフレーミングの具体例

もし、あなたが愚痴を聞く側の友だちであれば、リフレーミングを活用してみてください。
リフレーミングの具体的な例は、以下の通りです。

友だちが仕事でミスをしました。
「誰が悪いか」は、追求しないでください。
失敗やミスは、成長に必要なチケットのようなものです。
「失敗に価値を見つける」という視点に切り替えてください。

ミス・失敗であっても、そこに価値を見いだすことができます。

このように、ポジティブな視点に変えるのがリフレーミングです。

ミスってのは単なる反応

失敗や不満を受け入れる

次に効果が高いのは、「受け入れ(自己受容)」です。
これは、素早く効くような「特効薬」ではありません。

それでは、心理学の受け入れとは何でしょうか?

  • 自分の置かれた状況を把握する
  • 起きたことは、どうにもできないことを認識する
  • 今の感情は変えられないことを認識する

自己の受け入れは、怒りやマイナスの感情をやわらげるのに効果的です。
起きたことは、変えられない」という現実に向き合います。
そして、執着することが、自分にとってマイナスだと認識することが大切です。

ユーモアにする

ユーモアは、前述の研究では効果的とあります。
しかし、日本人にとっては、文化的な理由で難しいかもしれません。

「笑顔を作るだけで、 気分が改善される」という有名な話があります。
古い研究ですが、これが真実かは、まだまだ議論が起こっています。[※]

  • この有名な研究は、再現ができていません。最新の研究では「わずかに効果がある」程度のものです。

あなたの失敗で、友だちが笑顔になるなら、それはあなた自信の感情を上向きにするでしょう。

最後に

私たちは、愚痴や不満を打ち明けることで、気分が楽になると信じています。
多くの人々にとっては、その通りですが、効果は一時的です。
その後は、ストレスになる可能性があります。

心理学の研究によって、私たちの気づかない感情パターンが明らかになりました。

いずれにしても、リフレーミングは素晴らしい方法です。
活用しない手はありません。

また、他人の愚痴を言うよりも、自分に目を向けた方が健全です。
私の経験上ではありますが、愚痴を言って良くなったことは一度もありません。