良い嫉妬と、悪い嫉妬【科学】

良い嫉妬と悪い嫉妬がある

嫉妬は、他人がいなければ起きません。
必ず他人との比較によって、人は嫉妬します。

私たちは、「嫉妬が悪い」という認識を持っています。
ときに復讐や、投げやりな人生に繋がります。

ですから嫉妬のない人生は、幸福感に繋がります。

しかし人は、「他人を気にしない」という選択ができません。
そのため、「他人より優れているか?」ということが気になります。

SNSを見ても、疑いの余地はないでしょう。
最高の写真と、自己PRにあふれています。

しかし、嫉妬はすべて悪いのでしょうか?

科学的な研究をもとに、良い嫉妬と悪い嫉妬の心理効果を説明します。

良い嫉妬

昔の心理学では、嫉妬は悪いものと考えられていました。
それが近年では、必ずしも「悪い物ではない」と考えられるようになりました。

嫉妬は、他人との比較で起こります。
そして、自分より優れている人と比較するのは、良い嫉妬です。

例えば、自分よりスキルの高い人を見て「あんな風になりたいなあ……」と思う感情です。
これは、良い嫉妬です。

また、他人の能力を評価し、賞嘆(しょうたん)することも、良い嫉妬に含まれます。

良い嫉妬は能力をアップさせる

心理学の研究によると、この良い嫉妬は、自分の能力をアップさせる効果があります。[※]

実験の参加者たちは、「良い嫉妬」を経験したあと、課題で成績をアップさせました。

良い嫉妬を起こす方法

良い嫉妬は、心理面でプラスの効果があります。
それでは、どうすれば良い嫉妬ができるのでしょうか?

前述の研究には、続きがあります。
実験の参加者らは、2つのグループに分けられました。

  • 「成功は努力である」と教えられたグループ
  • 「成功は運である」と教えられたグループ

「成功は努力である」と教えられたグループは、「良い嫉妬」を経験しました。
そして、努力するための計画を立てる傾向にありました。

「良い嫉妬」が「良い計画」を生み出したのです。
これは好循環です。

良い嫉妬が成績をアップさせる

つまり、他人の能力を評価することが必要です。
決して、他人の報酬(地位、お金、名声)に注目しないでください。
これは良い嫉妬を生んで、自分の能力をアップさせる手段です。

次に、他人の運ではなく、努力に目を向けてください。
これらの思考をすることで、良い嫉妬が生まれます。

悪い嫉妬

昔から考えられていたように、嫉妬は、悪い感情を引き起こします。

2007年の研究によると、自分より美しいスタイルのモデルを見たとき、不安や苦しみに関する脳領域が反応することが見つかっています。[※]

モデル体型を見たときの脳反応

スタイルの良い他人と比較しただけで、苦痛を感じるのです。
これは、悪い嫉妬です。

美しいスタイルは、先天的な要素が大きくなります。
すなわち、生まれつきのものです。

他人のスキルに注目することがなく、運や環境に注目します。
こうなると、悪いサイクルが生まれます。

なぜなら、努力したり、「計画を立てる」という前向きな行動が起こせないからです。
こうしてどうすることもできない「妬み」の感情だけが、頭の中に滞在します。

嫉妬が辞められない理由

悪い嫉妬を辞めるのは、難しいかもしれません。
なぜなら、嫉妬の感情は、相手の不幸を望むからです。

驚くべき研究報告があります。[※]

嫉妬している相手が不幸な目にあったとき、私たちの脳は「気持ち良い」と感じるのです。
実際に快感の脳領域が反応するので、これは思い込みや錯覚ではありません。
間違いなく、他人の不幸は、快感なのです。

これは、他人に知られたくない「内なる感情」です。
私たちは、このような感情を認めたくないものですが、実際に脳が反応しています。
人間の本心とは、そういうものなのでしょう。

快感を望んでいるのですから、嫉妬を辞められないのも、仕方ないことです。

悪い嫉妬を辞めるには?

嫉妬心がなければ、幸福感を得られます。
しかし、誰もいない世界で暮らさない限り、嫉妬を辞めることはできません。

他の動物も、嫉妬のような行動があるので、人間に限った感情ではないのでしょう。

また、プロポーションなど、身体イメージによる嫉妬は、先進国で強くなる傾向があります。
テレビや雑誌などによって、多くの人がモデル体型を目にするからです。

SNSの情報を整理する

テレビやSNSを制限するのは、嫉妬心を減らす良い方法です。
特にSNSは、情報を制限する機能が豊富です。[※]

  • ツイッターのミュート機能など

これらの機能を使い、情報を制限すると良いでしょう。
もしくは、テレビやSNSから離れることです。

見た目や運よりもスキルに注目する

他人の見た目や運よりも、「スキル」に注目してください。
前述の研究にある通り、他人のスキルを知ることは、自分の能力をアップさせるチャンスです。

また、「運がなくても、スキルがあれば何とかなる」という考え方もあります。
「良い嫉妬」であれば、自分を改善するのに役立ちます!