信用できる人とは、どんな人でしょうか?
最近の心理学によって、それが明らかになってきました。
人生において「相手を信頼する」ということは、非常に重要です。
人間は社会的な生き物なので、他人と協力して発展してきました。
しかし、間違った人を信頼してしまうと、あなたは搾取[※]されてしまいます。
- 搾取(さくしゅ):一方的に、しぼり取られること。
時間、お金、労働力は、信頼できる人に提供してください。
それが当然です。
あなたが信頼した人にだけ、あなたの時間を提供するべきです。
私たちは、幼少時代の友だちを信頼しています。
それは、お互いの利益がクリーンだからです。
ところが大人になると、相手を選んでから友だちになります。
それでは、どのような人を信用すれば良いのでしょうか?
目次
信頼できる人とは、罪悪感がある人
心理学は、信頼できる人の特徴を見つけました。
2018年9月の研究報告(シカゴ大学・ペンシルバニア大学より)です。
信頼性に最も影響するのは、「罪悪感の度合いである」と、研究者らは一連の実験により判断しました。[※]
この研究では、信頼ゲームが使われました。[※]
- 他人からお金をもらい、持ち逃げするか、還元するかを決めるゲーム。
信頼ゲームでは、「持ち逃げ」を選ぶのが、最も利益を得られます。
ある意味、正しい選択と言えます。
しかし、罪悪感を感じやすい性格の人々は、持ち逃げを選ばず、他人への還元を選ぶ傾向にありました。
![信頼ゲーム](https://tabilens.jp/wp-content/uploads/2019/04/trust_game-737x1024.png)
罪悪感を感じやすい人は、信頼できる人です。
それは、なぜでしょうか?
罪を後悔する人の特徴
後ろめたい感情がある人は、人をだます行動が起こせません。
一方で、相手の期待に応えようとします。
罪悪感のある人は、常に罪を回避しながら行動しています。
これは自己防衛に似ています。
スタンフォード大学による2015年の研究では「正直さ、寛大さ、同情的、謙遜」などが信頼に関わると言われていました。
今回の「罪悪感が最も影響する」というのが、新しい研究報告です。[※]
人から嫌われたくない
罪悪感を回避する人は、「人から嫌われたくない」という感情を持っています。
これは、意識できていない人がたくさんいます。
常に「人から嫌われたくない」という行動を、自然にとってしまうのです。
こういった人々は、相手の「時間」や「お金」を搾取することが、そもそもできません。
見分ける方法
「罪悪感を感じやすい人か」を見分けることは、少し難しいです。
以下をチェックしましょう。
その人の発言や行動が、自分のためにしているかどうか?
自己的であれば、信頼してはいけません。
全ての発言が「自分の利益になっている」という人には、要注意です。
罪悪感を感じやすい人は気づかいができる
罪悪感は、気づかいです。
友人の家に呼ばれました。
あなたの前には、赤ワインがあります。
テーブルクロスは白色なので、存分に注意します。
手元からワイングラスを遠ざけます。
そんなあなたは、良い罪悪感を持っています。
白いテーブルクロスが汚れると、(手間を含めた)大きな損失がでます。
あなたは、相手の身になり、事前に注意することができる人です。
そのような人は、信頼して大丈夫です。
![罪悪感を感じやすい人は?](https://tabilens.jp/wp-content/uploads/2019/04/guilt_feelings.png)
人から信用される方法ではない
前述の研究報告は「人から信用される方法ではない」ということに注意してください。
あくまで「信用できる人を見分ける方法」です。
人間社会では「悪い人を信用してしまう」ということが、頻繁に起きます。
詐欺師や悪い人は「信用されるための戦略」を使って、人を騙そうとします。
罪悪感を感じる人には、できない行為です。
人から信用される方法は、まず「結果」や「技術」を持っていることです。
さらに、自分に自信を持っている人は、信用されやすい傾向にあります。
ビジネスでは注意が必要
罪悪感を感じすぎる人は、搾取される可能性が高くなります。
過剰にサービスをしてしまいます。
一方で、そういった人たちが上司や管理者になると、面白いことに、見方が変化します。
自分たちの部下を守るために、部下が過剰なサービスをするのを、やめさせることができます。
顧客に対する罪悪感から、部下への罪悪感に変わるのです。
どちらにしても、ビジネスの取引は、公平が一番です。
罪悪感を感じ過ぎるタイプの人は、過剰なサービスをしていないか、注意してください。
結論
私たちは、人と出会った時の印象だけで、信用できるかどうかを判断してしまいます。
多くの人たちは「対面で会えば、相手のことが分かる」と信じています。
しかし、これは間違いです。
詐欺師は、実際に会って人を騙そうとします。
「罪悪感を感じる人が信用できる」というのは、「人を騙すことができない」のですから、当然とも言えます。
とはいえ、この事実に気づけないというのが、心理学の研究の成果です。
![](https://tabilens.jp/wp-content/plugins/tkama_gtag-finish-read/images/tkama_gtm-spacer.gif)