ノーを言う方法、断れない人の特徴

断れない人、ノーを言う方法

ノーと言えない人がいます。
一方で、ノーと言うのが簡単な人もいます。
それ以外の人々は、 時と場合によって使い分けています。

この違いは、何でしょうか?

自分に不利益な要求を飲んでしまうのには、理由があります。

ノーを言えない人の特性

ASDの子どもは「断るのが難しく、不利益を受け入れる傾向がある」という論文がでました。

ASDの子どもは、自動的に意志が傾いてしまう

ランカスター大学の研究者らによる報告です。[※]

ASDについては、こちらをご参考ください。
自閉症スペクトラム障害

不利益な要求にも関わらず、断ることができません。
なぜなら、自動的に従うからです。

これは「断ることで相手に嫌われる」ことを恐れています。
そのため、不利益でも、従うことを選んでしまうのです。

これは相手にとって、都合が良いことです。
当然、相手は気分が良くなるでしょう。
そして「相手が感謝している」となり、「断らなくて良かった」と、結論を出してしまいます。

こうなると、負のスパイラルに陥ります。
断らなくて良かった」という経験が増え、次も「断らない」を選ぶようになります。

これが断れない人の正体です。

「断る」という行為を整理しよう

断るとは?

「断る」という行為は、何でしょうか?
これを理解することは、社会的な動物である人間にとって重要なことです。

断るとは?

  • 社会的な影響がある
  • 相手を助けない
  • 相手が喜ばない
  • 断る主導権は、自分にしかない
  • 損得を計算できる
  • 受けるより、断る方が疲れる

まずは「社会的な影響がある」という認識が必要です。
友人関係や会社、親族の間でも、私たちはコミュニティの中で過ごしています。

社会的な関係を維持しつつ、断ることが必要です。
しかし、すべての要求を受ける必要はありません。

要求する側は、罪悪感を感じることが少ないため、要求を増やす傾向にあります。
要求する相手側は、デメリットよりもメリットが多いのです。

「相手の失望」を恐れない

一部の人たちは、相手が喜ばないことを恐れます。
嫌われると、思い込むからです。

実際にきちんと断れば、嫌われることは、まずありません。
ですから、必要以上に恐れてはいけません。

不利益かどうか、少し冷静になって考えましょう。

正直に伝えよう

  • 「すみません。もう手一杯で、これ以上は時間を割けないです」

正直さは、相手に肯定的な印象を与えます。

そして、自分の状況をさらけ出すことが、信頼を得るコツです。
正直に、自分のことを伝えましょう。
あなたが最も恐れる「嫌われる」ことを回避できます。

特に嫌われるのを恐れる人は、効果的です。
正直に言えば、嫌われることはないからです。

断ると疲労する

人間は、意思決定するだけで疲労します。
例えば、着ていく服を決めと、少しの疲労で済みます。
また、高額商品の購入を決める時は、疲労が大きくなります。

そして「断る」ことは、疲労がとても大きくなります。
これを認識して、精神的な体力を温存してください。
いま疲れているのならば、後日に相談できないか交渉しましょう。

断る方法

断る方法

断る方法には、3つの戦略があります。
この戦略を使えば、断るのがラクになります。

断れない性格を知る

前述のように、断れない性格は、先天的なものから、後天的なものまで様々です。

「断らない、引き受ける」ことで、今まで上手くいった人は、断る決断が難しくなります。
これは、後天的な要因です。

引き受けることが、自分にとってラクだと判断してしまいます。
しかし、長期的に見ればマイナスです。

まずは、この性格を認識することから始めましょう。
自分を知っていれば、「自動的な意志」に、逆らうことができます。

そうでなければ、甘いお菓子を食べ続けてしまうように、自分の意志に逆らえなくなります。
お菓子は、自分を太らせ、健康リスクがあると知っているからこそ、ほどほどに食べるという選択ができます。

大切なのは、「自動的な意志」に、逆らうことです。

主導権は自分にある

この方法は、実際に私が使ったことがあります。
ノーと言う強力な方法です。

断る主導権は、常に自分です。
あなたは、ボールを受け取っているのです。

「YES」か「NO」を書いて、ボールを返すだけです。

「NOのボールを返すだけ」と、心に決めることで、断るのがラクになります。
私はこの方法で、断るのが難しい場面でも、正しく断ることができました。

確実に相手へ伝える

最後は、「断る意志」を相手に伝える方法です。
まずは「相手の感情を理解している」ことを伝えます。

「あなたの厳しい状況は理解しています」

そして、何度も「できない」ことを口で伝えます。
何度か繰り返すことによって、相手は「あなたの意志は変わらない」と認識することができます。

それでも相手が引かない場合に限り、この言葉を使います。

「これ以上は困ります」

これは最後の手段になります。

最後に

断ることは、厄介です。
社会的な影響や、自分の感情など、様々な要素があり、思った以上に複雑です。

大切なのは「正しい決断」です。
すべて断れば、コミュニティからの信用に傷がつきます。
決断には、社会的な影響があるからです。

協力し合うことは、社会的な行為です。
それは自分に返ってきます。

断れない性格特性の人は、「断る」という行為を整理しましょう。
結局それは、一時的に嫌なことかもしれません。
しかし、長期的にマイナスとなる可能性があります。

ボールを持っているのは自分です。
断る権利は、自分にしかありません。
相手に主導権がないことを知れば、断るのがラクになるでしょう。