秘密や隠しごとの悪い影響【心理効果】

秘密や隠し事の心理

Aさんには、人には言えないヒミツがあります。
コミケやコスプレイベントなどの参加です。リアルの人づきあいでは、知られたくないと思っています。
会社では、オタク趣味がバレないように過ごしています。

Bさんは週末の夜、ディープスポットに足を運びます。
Bさんには役職があり、部下に知られたくないと思っています。

Aさん、Bさんに共通することは、知られたくない隠しごと(秘密)です。

この「隠しごと」や「秘密」には、悪い心理効果があります。
今回は、心理学の研究で判明した「秘密や隠しごとの影響」について説明します。

恥ずかしい秘密と罪悪感の秘密

秘密や隠しごとには、2種類あります。

  • 恥ずかしいこと
  • 罪悪感

2つとも隠しておきたいことですが、この心理には違いがあります。

恥ずかしいので隠したい

冒頭のAさん、Bさんのヒミツは、「恥ずかしいので隠したい」という心理があります。

これらは「恥ずかしい秘密」に分類されます。
他にも、「自分には価値がない」「才能や能力がない」などの劣等感があります。

また、「お菓子を食べ過ぎる」「お酒を飲み過ぎる」などの悪い習慣も、「恥ずかしい秘密」に分けられます。

恥ずかしい感情は自己防衛

人間は社会的な生き物なので、集団から追い出されると、生きていけません。
そのため、集団と異なる価値観は、追い出される危険性があります。

恥ずかしい感情に嫌悪感があるのは、そういった防御機能が働いているからです。

罪悪感の秘密

一方で罪悪感には、後悔の感情が含まれます。
後悔は、恥の感情ではないので、大きな違いです。

  • 誰かに悪いことをした
  • 道徳的に悪いことをした

これらの感情は、「次はそうしない」ために働きます。

恥ずかしい秘密は、より心理的に悪い

前述のように、秘密や隠し事には、「恥ずかしい感情」と「罪悪感」があります。
普通に考えると、「罪悪感」の隠し事が悪いように思えます。

しかし、実際は違うのです。

心理学の研究は「恥ずかしい秘密」の方が、より心理的に悪いことを見つけました。[※]

羞恥心と罪悪感どちらが悪い?

この研究では、秘密や隠し事が頭に浮かんだ回数や、どのように悪い気分になったかを調査しています。

どのように悪いのか?

秘密や隠し事が心理的に悪い理由は、それが頭の中から離れないことです。
よく考えてみると、当然のことです。

「休日はどこかに行くの?」

こういう何気ない日常会話の中に、「恥ずかしい秘密がバレる」という可能性があるからです。
そのため、常に頭の中に、不安として滞在します。
不安が滞在すると、ストレスを受けます。

このようなメカニズムによって、秘密や隠し事は、心にダメージを与えるのです。

なぜ「恥ずかしい秘密」が悪いのか?

罪悪感のある秘密は、「誰かに悪いことをした」「道徳的に悪いことをした」などです。
この罪悪感よりも、「恥ずかしい秘密」が心に悪いのは、どうしてでしょうか?

それは、罪悪感の秘密が「未来志向にある」という理由です。

誰かに悪いことをしたとき、罪悪感が発生します。
それを隠しても、打ち明けても、次はやらないように、未来を変える必要があります。
「次はそうしない」というポジティブな感情です。

また、人間には残念な思考があります。
「あの時は悪いことをしたなあ……」程度で済ましているのです。
自分にダメージがなければ、それほど後悔しないのでしょう。

したがって罪悪感の秘密は、忘れやすく、心にもダメージが少ないのです。
加害者は、被害者の気持ちが分からない」というのがよく分かります。

自分をさらすと気分が良くなる

秘密や隠し事には、マイナスの影響があります。
それでは、逆の「自己開示」はどうでしょうか?

科学的な研究によって、「自分のことを話す」という行為は、気分を良くすることが分かっています。[※](2012年の有名な研究報告です)

自分のことを話すのは快感

実験の参加者らは、自分について話すように言われました。
自己開示している人の脳活動を見ると、快感の領域が反応したのです。

脳活動なので、研究者の思い込みではありません。
自分をさらけ出すと、気分が良くなるのです。

これは、SNSを辞められない理由のひとつです。
自己開示は、根本的に気持ちが良いので、人々は夢中になります。

なぜ自己開示は良いのか?

どうして自分の話をするだけで、気分が良くなるのでしょうか?

人間は、社会的な生き物です。
他人の経験を知る行為は、コミュニティの発展に繋がります。

良い経験も、悪い経験も、それを話すことは、集団の糧になるのです。
このようなシステムが本能的にインプットされているのでしょう。

秘密と隠し事は、バランスが必要

昔に比べると、アニメやゲームといったオタク趣味は、一般的に広く受けいられるようになりました。
冒頭のAさん、Bさんのように、隠す必要はないのかもしれません。

結局は、バランスです。
自分のプライドを守るため、秘密や隠し事を増やせば、それはボディーブローのように、ジワジワとダメージを受け続けます。
実際、自分が思っているほど、相手は気にしません。

一方で、ムリヤリに自己開示する必要もないでしょう。

自分をさらけ出すことは、相手から信用される方法のひとつです。
そうは言っても、ヒミツの内容によっては、大切なものを失う可能性もあります。

もし、秘密が多くて、生きづらいと感じるなら、コミュニティを変えるのも手です。
自分を受け入れてもらえる場所に、移動するのです。

いずれにしても、秘密の悪い影響を認識すれば、自分をさらけ出すのに役立ちます。