【何者にもなれない】そう思った人に読んでほしいこと

何者にもなれない

10代、20代の頃は、理想の人物になれると信じています。
そして30代、40代以上になると、「何者にもなれなかった」と感じるようになります。

この感情の大きな要因は、後悔です。
さらに「完ぺき主義」「ストレスコントロール能力」「幸福感」が関わります。

何者にもなれない」と感じるようになった時、あなたは何をすれば良いのでしょうか?
もしくは10代、20代であれば、どうすれば良いのでしょうか?

理想の自分が強い後悔を生む

自分の感情には、3つの種類があります。
自分という存在をどのように認知しているか」ということです。

  • あるべき自分
    反社会的な行動をしない「道徳心」のようなもの。
  • 実際の自分
    今の自分のこと。
  • 理想の自分
    「誰かのようになりたい」「目標とする自分」のこと。

心理学の研究は、この「3つの自分」が引き起こす「後悔」の傾向を見つけました。[※]

理想の自分になれなかったことへの後悔

研究者らは、どのような後悔が最も多いのか、アンケートを取りました。
参加者のうち、72%の人が「理想の自分」に対する後悔を感じていました。

それは、なぜでしょうか?

「あるべき自分」や「実際の自分」は、すぐに修正することができます。
「やらない」という選択をしたとき、自分で決めたことなので、後悔から回復するのが早くなります。
また、後悔しそうな状況であれば、「しない」から「やっぱりする」という方向修正ができます。

一方で「理想の自分」には、「やらなくても、どうにかなる」という選択ができます。
つまり、簡単に無視できるのです。

理想の自分を追い求めているときは、無視をしても、後悔の感情はありません。
しかし、あとから後悔の念となって、ジワジワと効いてくるのです。

このタイプの後悔は、時間が経っても消えることがなく、ずっと残ります。

一番つらい後悔パターンとは?

人の脳は、常に後悔回避をしています。
損をしないように、行動するようになっているのです。

しかし、後悔が直感的に予測できなければ、後悔回避もできません。
やらなかったこと」の後悔は、時間が経って気づくのです。
そのため、後悔回避の行動ができないのでしょう。

何者にもなれない」という感情の正体は、「理想の自分になれなかった」という後悔です。
その後悔は、ずっと残る性質があるのです。

会社を辞めたときの後悔

例えば、会社を辞めたときの後悔です。
これは、自分で決断した行動です。
さらに、再就職活動など、すぐ行動するべきことが増えます。

このような状態では、後悔の感情が薄れます。
「やらなくて放置した」という後悔ではありません。

理想の自分はあいまい

「何者かになりたい」という理想の自分は、あいまいなものです。
ただ、何となく「何者かになれそう」と思いつつ、過ごしてしまいます。

これが最もやっかいな「後悔」を生みます。

目標があいまいなため、放置することを許してしまうのです。
「あのとき、頑張っておけば……」と、後悔さえもあいまいです。

そのため、具体的な改善方法を見つけられません。
こうして、あやふやなまま、後悔の感情が強まっていきます。

何者にもなれない人はどうすれば良いか?

まずは、人間の欲求を整理しましょう。
この感情を変えるのに、必要な手順です。

欲求を整理して、足りないものを見つける

有名なマズローの法則があります。
下図のように、「人間の欲求は、下の層から順番に満たされていく」という理論です。

マズローの欲求5段階説

有名なマズローの図ですが、現在の心理学では、支持されていない法則です。
なぜなら、欲求の順番に当てはまらないことがあるからです。

社会的欲求」や「安全の欲求」を満たさなくても、「自己実現」の活動はできます。
漫画家や小説家、アーティストは、どんな状況でも、最高の作品に取り組むことができるはずです。

この図だと「紛争地域で愛はないのか?」とも言えます。

そうは言っても、マズローの法則は、欲求を整理するのに役立ちます。

夢や希望ではなく、欲求を知る

何者にもなれない」という感情は、欲求が満たされていない状態です。
満たされていない欲求を整理して、知ることが大切です。

下層をチェックする

まずは、下層をチェックしてください。

  • 栄養のある食事が取れているか?
  • 睡眠が足りているか?
  • 物理的な危害はないか?
  • 嫌がらせを受けていないか?

愛情とコミュニティをチェック

自己肯定感が少なく感じるとき、「社会的欲求と愛の欲求」をチェックしてください。

会社のコミュニティは、ますます効率が求められています。
したがって、コミュニケーションが薄くなり、満足感も失われます。

会社以外のコミュニティを見つけるのも、ひとつの手です。
(しかし、詐欺や間違った倫理観を持つ宗教に気をつけてください)

スクールやボランティアは、手軽に参加でき、離れる自由もあります。

離れていた友だちに連絡をしても良いでしょう。
今はFacebookなど、気軽に連絡できる手段があります。

そして、大切なことがあります。
それは「愛や友情の欲求が満たされるのは当然である」という考えを捨てることです。

コミュニティに入り、評価を得る

コミュニティにいることで「帰属意識」を持つことができます。
帰属意識とは、集団に所属する感覚です。

そこで評価を得られれば、承認欲求が少なからず満たされていきます。
もっとも簡単な方法は、他人に奉仕することです。

自己実現

自己実現の層には、子育ても含まれます。
大統領になったり、誰もが尊敬するアーティストになる必要はありません。

幸福感は年齢によって変わる

「何者にもなれなかった」という感情は、後悔から生まれます。
そして後悔の感情は、「幸福感」を削ります。

しかし、複数の研究報告によると、60代以上で幸福感が増します。[※]

また、若者も幸福を感じる傾向が高いですが、30代以降になると、幸福感が最も低くなります。

ちょうど30代あたりから、「何者にもなれない」という不安が出てきます。

高齢者の高い幸福感は、なぜでしょうか?
要因のひとつは、あきらめることです。
高齢になるほど、できることが少なくなるからです。

一方で、高齢者は「習いごと」を楽しむことができます。
理想を追い求める必要がないからです。

また、ストレスコントールも、年齢を重ねることで、上手くなります。

ですから30代以降は、「なれそうな自分」と「なれない自分」の間に挟まれます。

後悔と向き合う

30代以降は、どうすれば良いのでしょうか?
それは、後悔と向き合うしかありません。

  • その時のベストを尽くした
  • これが人生だ
  • 何も間違いはない

これらの言葉は、思考を停止させるためのスイッチです。
もし効果があるとしても、それは解決ではありません。
終わらせるための言葉です。

後悔とは、経験です。
人は、経験から学ぶことができるので、後悔と向き合うことが大切です。

後悔をしている理由を思い起こし、今すぐ何をするべきかと問います。
(できるだけメモとして残します)

後悔の感情は、不快なものです。
だからこそ、人は不快な感情を回避し、さらに穴にはまってしまいます。

悪いプライドの捨て方

悪いプライドを捨ててください。
悪いプライドとは、自分のやったことに対して、尊敬を求めることです。

尊敬されるために、何かをやると、上手く行きません。
自分ではなく、他人のためになることをやってください。

大きな舞台に立つためには、小さな舞台から始めます。
その小さな舞台に立つためには、舞台でもない身近な場所で、誰かを喜ばせることです。

完ぺき主義から抜け出す

完ぺき主義の人たちは、昔よりも増加しています。[※]

完ぺき主義の要因は、複雑です。
その中でも「成功者が目立つ」という要因があります。

完ぺき主義が増えた理由のひとつは、成功者を見る機会が多くなったことです。
これは、メディアやSNSによって、個人にスポットが当たるようになったからです。

昔の世代では、個人にスポットが当たるようなことは、考えられませんでした。
映画俳優やミュージシャンに憧れることはあっても、多くの人は、現実的な目標にしません。

SNSにはコミュニケーションのメリットもありますが、幸福感については、マイナスに働くことがあります。

また、多くの人は「完ぺきな投稿」を意図的にします。
完ぺきな他人を見すぎているため、「何者にもなれない」という満ち足りない気分が増えます。

SNSから離れる

SNSから離れるのは、有効な方法です。

ツイッターではミュート機能を使うのも手です。

これは、自分の幸福感が削られないための防衛策です。

学校や会社のようなコミュニティは、自分のレベルにあった人がいます。
これがインターネットになると、全国レベルの優秀な人ばかりです。
切磋琢磨できる人が周囲にいた方が、自分のスキルアップに繋がります。

成功している人から学ぶことは、多いでしょう。
しかし、その人たちは、自分に光を当てているだけかもしれません。

小さな目標を作る

「何者にもなれない」と感じる人は、どうするべきか?
その結論は、具体的で小さな目標を作ることです。

例えば、以下のような目標です。

  • 英単語を1日に10分間おぼえる
  • 1ヶ月に2冊の本を読む
  • 資格や仕事の勉強をする

以下のような目標を立てないでください。

  • 成功している人になる
  • 有名人になる
  • お金持ちになる

お金持ちや有名人を目指すことは、決して悪いことではありません。
目標が「あいまい」なだけです。

そして「何者にもなれない」という感情は、抽象的です。
この抽象的な感情を放置してはいけません。
数年後、後悔に変わります。

ですから具体的で小さな目標を立てます。
その小さな目標からクリアしていけば、「いずれ大きな目標にたどり着く」という計画を立てると良いでしょう。

また、SNSから離れるのも有効です。
SNSは、他者の成功であふれています。

他者を見ないだけで、あなたの幸福感を回復させることができます。