科学サイトを見ていると、if-thenルールという言葉をよく見ます。
if-thenルールは、自分の目標を達成させるツールです。
やり方は簡単で、ルールに従って計画を立てるだけです。
if-thenルールを使うと、「目標達成率が2倍以上になる」という研究報告が多数あります。
あなたは、夢を持っていますか?
if-thenルールは、夢を実現させる強力な戦略です。
今回は、if-thenルール(もしくはif-then計画)について説明します。
目次
if-thenルールとは?
if-thenルールとは、「もしXが起こったら、私はYをする」という実行計画です。
「もし」が「if」で、「それなら」が「then」です。
日本語だと「もし〜それなら戦略」とも言えます。
もとは、実行意図[※]と呼ばれたものです。
実行意図は、心理学者ピーター・ゴルヴィツァーによって、90年代半ばに研究されました。
この計画は、単なる目標よりも、はるかに上手くいきます。
なぜなら、強い意志が不要だからです。
以下に、if-thenルールの例があります。
- レストランに行ったら、低カロリーのメニューを注文する
- 誰かに誘われたら、勉強を理由に断る
- 午前にレポートを書いてなかったら、午後はレポートを書くことを最優先する
- ショッピングモールに行ったら、ファッションのエリアを通らない
このように、「Xだったら、Yをする」というフォーマットを作るのです。
if-thenルールは、障害物を避けるのに似ています。
ほとんどの人は、障害物に当たってから物事を考えるからです。
そのときの意思決定は、状況によって変わります。
友だちが誘ってくれたし、今日は飲みに行くか!
残念なことに、ちょっとした気分次第で、ラクな意思決定をしてしまうのです。
そうであれば、最初から物事を決めておきます。
障害物に当たったとき、気分に左右されず、正しい意思決定ができるわけです。
if-thenルールを使わないと
現代社会の人間は、ラクをすることが簡単になりました。
将来のため、勉強した方が良いにも関わらず、ついテレビやゲームを選んでしまいます。
気分に左右されるので、ほとんどの場合、ラクな方向に意思決定が転びます。
if-thenルールは強い意志が不要
新しい行動を起こすには、精神的な努力が必要です。
頭の中に、目標を滞在させておく必要があります。
ほとんどの目標は、すぐに達成できません。
そのため、目標達成が遠すぎるので、精神的に疲労するのです。
if-thenルールがあれば、自動的にタスク(やるべきこと)へ向かうことができます。
頭の片隅にしまっておけるので、弱い意識レベルで行動を起こせます。
具体的な例でif-thenルールを実践
もう少し具体的な例で、if-thenルールを解説します。
まずは何より、あなたが目標を達成するための「目的」と「やること」を決めましょう。
- 目的 → 資格を取得したい
- やること → 資格の勉強を1時間する
目標に近づくためには、「何をするか」を設定する必要があります。
具体例:犬の散歩
あなたが犬の散歩を日課にしているなら、チャンスです。
「雨天」というランダムな要素があるからです。
雨の日は、散歩をする代わりに、他のタスクをしましょう。
もし、雨が降ったときは、散歩ではなく、資格の勉強を1時間する。
このように、不確定な要素をif-thenルールを使って、どんどん決めていきます。
もし、if-thenルールがない場合を想像してみてください。
テレビやゲーム、スマホに時間を費やしてはいないでしょうか?
スマホやゲームの時間も決める
if-thenルールは、障害物を取り除くことがポイントです。
目標に対する障害物が、スマホやゲームだった場合、その時間も計画に含めておきます。
・日曜日の20時になったら、ゲームを2時間プレイする。
・勉強をしているなら、スマホを別の部屋に置いておく
このように、障害物を取り除くのがポイントです。
ダイエットであれば、お菓子を食べる日を決めたり、どうしても食べてしまったとき、運動をするなど、行動を置き換えましょう。
・お菓子を食べてしまったら、30分運動量を増やす
if-thenルールは、悪い習慣を変える方法にも使えます。
スマホを置き換える
勉強している間、ついついスマホを見てしまいます。
スマホは、人間を夢中にさせる仕組みであふれているからです。
スマホを手の届かない場所に置いても効果がない場合、if-thenルールを使いましょう。
スマホを手にしたら、ランダムで音楽を1曲だけ再生する。
このランダムというのがポイントです。
どういうわけか、動物も人間も、ランダムに弱いからです。[※]
ゲームやスマホのアプリは、このランダム(射幸心を煽る)を利用して、人々を夢中にさせています。
SNSも、「いつ」「誰が」面白い投稿をするかは、読めません。
こういったランダム性が、動物にとって魅力的なのです。
ですから、ランダムで音楽を再生することは、魅力的です。
SNSやゲームで時間を奪われているならば、ランダムの音楽再生で置き換えるのも良いでしょう。
ランダムで辞書を見る
私の場合、勉強や作業で集中力が切れたとき、辞書を見ます。
辞書は、椅子から離れている場所に置いています。
椅子から離れるだけで、集中力も回復するからです。
そしてランダムで、適当に開いたページから、自分の知らない単語を見つけます。
(辞書のお気に入りは類語辞典です)
感謝をする
海外には、if-thenルールを使って、感謝するタイミングを作っている人がいます。
例えば、「ベッドで寝る前、明かりを消したなら、感謝をする」といったルールです。
これは、ルーティンと同じです。
日々に感謝する習慣は、とても良いですよね。
このルーティンは、ポジティブな感情を引き起こすのにも有効です。
具体例:節約する
節約が目的だった場合の例を解説します。
まずは、目標を決めましょう。
例 → 沖縄旅行のため、普段から節約する
この場合、沖縄旅行に必要な金額を計算します。
if-thenルールは、具体的な目標設定が大事です。
次に、if-thenルールを作っていきます。
・デパートに行くなら、目的以外のフロアを通らない。
・もし買い物に行っても、服、アクセサリー、小物は買わない。
・Amazonにアクセスしても、必要な物以外は買わない。
・外食に誘われても、○○を理由に断る。
最後の「外食を断る」という場面だと、あらかじめ断る理由も計画しておきます。
事前に理由を設定しておけば、断ることは簡単です。
以下の記事にも、詳しく断る方法を書いています。
設定した目標の沖縄旅行は、自分との約束です。
目標金額を達成したら、しっかりと約束を守り、自分に報酬を与えましょう。
このサイクルが、行動するモチベーションになります。
出来事が起こる前に、計画を立てるのは、無駄に思えるかも知れません。
しかし「Xなら、Yをする」というルールがあれば、脳は自動的に判断し、意思決定を飛ばすことができます。
そして、if-thenルールは、悪い習慣を辞める方法としても使えます。
ぜひif-thenルールを使って、目標を達成しましょう!
if-thenルールのアプリ
メモ帳に書いた方が良いですが、if-thenルールのアプリもあります。
iOS版
Android版
if-thenルール(実行意図)の論文は以下です。