飲みニケーションの心理とは?やめた方が良い理由を分かりやすく解説

飲みニケーションは何ですか?

先日、不思議なことが起こりました。
久しぶりに会う友人たちと、飲み会をしたときです。

それは飲み会でしたが、誰もお酒を飲みませんでした。

飲み会の雰囲気が欲しかったのでしょう。
あの雰囲気で話をすると、どこか気まずさのない会話ができるような気になります。

しかし、それは本当でしょうか?

会社や大学では、より親密な会話をするため、飲み会を開くことがあります。
よく「飲みニケーション」と言います。[※]

これは近年、「悪しき文化」と認識されるようになりました。

海外にもある飲みニケーション

飲みニケーションのような文化は、日本特有ではありません。

飲酒の文化について調べると、大学の研究員や、考古学者の間でよく聞きます。
本当に重要な会議は、ホテルのバーで行われる」と言われることもあります。
不思議なことに、スターバックスのような代替案はなく、お酒が絡みます。

また、日本の飲みニケーションと同様に、困ったことがあります。
それは「お酒が飲めないことで、私のキャリアに響いた」という報告を見ることです。

お酒が飲めないだけで、不公平な世の中です。

なぜ、飲みニケーションをしますか?

飲みニケーションの正体は、科学的に何でしょうか?

大きな要因のひとつは、アルコールが社会的な繋がりを強化する薬物だからです。

さらに研究では、アルコールが共感力を高めることが見つかっています。[※]

アルコールが入ると、相手の痛みを、自分の痛みに置き換える能力が高くなります。
これが共感力です。

自閉症のネズミであっても、共感力が高まるのですから、強い作用だと分かります。

よく考えると恐ろしい話で、アルコールが入れば、相手の感情を操作できる可能性があるのです。

やたらと苦労話を語る人がいませんか?
お酒が入っているだけで、ついつい共感してしまうかもしれません。

誰が得をしますか?

社交的な人とお酒の関係

私は、お酒が苦手です。
会社の飲み会は、とてもイヤでした。

なぜか、私がお酒を飲んでいるだけで、安心する先輩がいるのです。
ですから1杯だけ飲んで、後は飲み過ぎたと言いながら、ウーロン茶を飲んでごまかしていました。

幸いなことに、古い体質の飲み会ではなかったので、周囲にも助けてもらえました。

自分が先輩になると、不安が少なくなり、他人とコミュニケーションができる場となります。
不安さえなければ、相手に気をつかいながらも、飲み会を楽しむことができました。

お酒の好き・嫌いは、遺伝子が影響します。
もともとお酒の好きな人は、飲酒で不安を軽減できるので、飲み会を最初から楽しめます。

社交的な性格の人は依存しやすい

遺伝や環境によって、ある程度の性格は、分けることができます。
いわゆる性格特性です。

社交的な性格の人は、依存しやすい体質にあります。[※]

それは、ドーパミンが出にくい体質だからです。

ドーパミンが出やすいから依存症になりやすい」と思う人も多いかもしれませんが、逆だったのです。

それは、何度もジェットコースターに乗るようなものです。
ドーパミンが出にくい体質だからこそ、強いドーパミンを探します。

そして、強制的に快楽物質を出させるのがアルコールです。
アルコールが薬物なのは、こういった理由です。

私は内向的な性格です。
ゲームやお菓子ぐらいの刺激でも、すぐ満足してしまうのでしょう。
刺激を求める欲求がなく、つい家に引きこもってしまいます。

飲みニケーションは、どんな人がする?

前述のように、社交的だからこそ、外部に刺激を求めます。
そのひとつがお酒であったり、飲み会という場だったりするのです。

つまり、刺激を求めている人と、刺激が足りている人がいるのです。

社交的な人が多い営業部署の飲み会に、派手なイメージがあるのは、そういった理由なのかもしれません。

どちらにしても、お酒が苦手な人は、お酒が好きな人に巻き込まれやすいのです。

お酒で腹を割って話すことはできますか?

お酒を飲むと、腹を割って話せる」という勝手なイメージがあります。
お酒が入ると、つい余計なことを言ってしまうからでしょうか。

確かにアルコールは、脳のブレーキ機能を弱める効果があります。
しかし、余計なことを言ったり、人の悪口を言ったりすることが、本心とは限りません。

私たちは、常に社会的な理性を持っています。
それが人間の本能ですから、理性に反する行動が本心とは言えません。

太っている人に、「太ってますね」などと言わないのが当然です。

場の雰囲気やお酒に飲まれて、つい本心とは違うことを言ってしまうのです。
そう考えると、お酒で腹を割って話すことはできないでしょう。

そもそも、みんな「お酒で人格が変わる」などと言っているではないですか……?

雰囲気で他人に乗せられて、毒舌が盛り上がると勘違いしてしまうのです。

お酒を理由にしてはいけない

飲み会では、ハラスメントが起こる可能性もあります。
お酒は、脳のブレーキ機能を弱めるからです。

しかし、お酒だけが原因ではありません。
ハラスメントは、アルコールがない場所でも起こっています。

ハラスメントの原因をアルコールにすると、それが弁解になってしまうからです。
罪を犯した人は、認めたくないので、アルコールに罪をなすりつけようとします。

誰もがミスをしたときは、自分以外の要因を探してしまうものです。

飲みニケーションは辞めるべき

飲みニケーションには、何のメリットもありません。

現代科学の健康リスクで最も大きいのが、お酒、タバコ、肥満です。
健康診断でも必ず聞かれますよね。

適切な飲酒量もなくなってしまいました。
今は少量のアルコールでも、体に悪いのが科学的な結論です。[※]

意味がない飲みニケーション

お酒を飲んで記憶がない」という現象は、アルコールが記憶を妨害するからです。

飲酒前の記憶ではなく、飲酒後の記憶に影響します。
つまりお酒では、悪い出来事を忘れることができないのです。

記憶が妨害されるのですから、飲み会で熱く語っても、相手の記憶には残りません。

お酒は商業的で代替案がない

タバコと違って、お酒はメディアの自主規制がほとんどありません。
どの国であっても、今さら規制できないのが現状です。

特にテレビのメディアでは、スポンサーの都合もあり、アルコールの健康リスクがテーマになっている番組は、なかなか見ることができません。

コミュニティの場所がない

私が普段、親しい友人たちと話し合う場は、やはりお酒が絡む場所です。

しかし、冒頭のように、誰もお酒を飲まないことがあります。
大人同士が集まるコミュニティの場所がないのでしょう。

お酒を扱わないカフェは、なかなか利益を出せないのが現状です。
したがって、コミュニティの場所を作っても、店舗を維持するのが難しいのです。

悪い文化として認知されてきた

近年、若者に限らず、「自分の時間を大切にしたい」というニーズが拡大しています。
ロボット掃除機など、時間を短縮する商品が売れている理由のひとつです。

さらに、時間の使い方も変化しました。
コストパフォーマンスを求めるようになったのです。

時間はコスト」という価値観が広まってきたのでしょう。
最近では「時間を掛けてお金を節約する」という話もなくなりました。

そういった背景もあって、飲みニケーションは、悪い文化として認知されてきました。

飲み会に給料を払う会社も出てきましたが、アルコールの健康リスクや、ハラスメントのリスクを考慮する必要があります。

私たちは、変化に対応するべきでしょう!