少数意見を無視する理由とリスクを「ミツバチ」から学ぶ

少数意見を無視するのはなぜですか?

人間は、社会的な生き物です。
常に、人とコミュニケーションを取りながら生きています。

なぜ、私たちは社会的なのでしょうか?
それは、社会学習と呼ばれる能力にあります。

社会学習とは、他人の真似をする能力です。

子どもの頃を思い出すと、よく分かります。
集団の中にいるとき、何をすれば良いのか分からず、とりあえず他人の真似をしたことはありませんか?

私たち人間は、本能的に真似をして生きているのです。
常に、誰かの行動やコミュニケーションを真似しています。

私たちは、独立した行動が取れない生き物だったのです。

ですから、真似をしない少数は、無視されるのです。

ミツバチが人間よりも賢い部分

ミツバチは、思った以上に賢い生き物です。
人間と同じように、算数もできます。[※]

そして、ゼロの概念を理解することができます。
古代のローマ数字に0はなく、人間がゼロを使い始めた文献は、西暦600年前後になって登場します。

算数ができるだけでも驚きですが、ミツバチの社会的な行動は、人間よりも優れています。

集団の知恵

人類は、お互いにコミュニケーションを取りながら、集団生活をしていました。

あの山には、美味しい果実がある。
あの川には、美味しい魚が豊富にいる。

このような情報共有は、集団だからこそです。

現代社会では、この情報共有が進化します。
インターネットを使い、口コミでレビューをしています。

実はミツバチも、同じようなことをしています。

ミツバチは、エサ場を見つけたとき、ダンスをして、他のミツバチに知らせます。
優れたエサ場だと、ダンスをする時間が長くなるのです。[※]

このようにして、今より良いエサ場を見つけることができます。

ミツバチは、少数意見に従うことができるのです。

しかし人間は、違います。
心理学の研究は、人間が少数意見に従うことができないことを見つけました。

集団に従ってしまう心理

人間は、他人をコピーする性質があります。
社会学習という能力で、真似をしないと、生きていくことができません。

心理学の研究者は、スロットマシーンを使って、集団心理を調べました。[※]

よく当たるスロットと、あまり当たらないスロットが設置されています。
実験の参加者らは、周囲を見ることができるので、よく当たるスロットの共通点を参考にできます。

例えば、「緑色のスロットがよく当たっている」という共通点です。
あくまで自分の感覚に頼るので、緑色のスロットよりも、青色のスロットの方が当たる確率が高いかもしれません。

確率というのは、偏るのが普通です。
サイコロを6回投げて、1から6の数字がまんべんなく出る方が奇跡です。

この心理実験は、「正解が分からない時、どのように人は行動するか?」ということを調べることができます。

間違っていても真似をする

やはり、多くの人が緑のスロットマシーンをプレイすると、他の人も緑のスロットマシーンを選ぶようになります。

正解が違っていても、誰も気づかないので、真似をするのです。
みんなで間違えば、他人よりは悪くならない」という心理でしょう。

この時点では、ミツバチの集団は賢いと言えます。

社会適応能力が低いと上手く行く

この実験では、社会適応能力が低い人ほど、最もよく当たるスロットを見つけることができました。

この人たちは、他人と違うものを試したくなるのです。

実験の結果は、以下のようになっています。

  • 難しい課題ほど、人は集団を真似する
  • 集団が大きいほど、人は真似をする
  • 正解が違っていても、集団に従ってしまう
  • 社会適応能力が低い人が正解にたどり着く

人間は、ミツバチと違って、集団に従ってしまうようです。

とくに「難しい課題ほど、人は集団を真似する」というのは、気をつけないといけません。

少数意見の大切さ

私たちは、心理学の研究が示すように、難しい課題ほど、大多数に従ってしまうようです。

したがって、大多数に従うリスクを認識する必要があります。
少数意見を無視するのは、リスクでもあるのです。

意見を受け入れ、天びんに載せて判断します。
社会生活をしていると、少数意見を拒否することがよくあります。

そして最も身近な例は、会社の倒産です。

ミツバチは人間より賢い?

人間は同じ地球に住んでいるにも関わらず、ミツバチのように、集団が上手くいきません。

もちろん、国や家族といったコミュニティがたくさんあるからです。
ミツバチやアリのように、ひとつのコミュニティで生活をしていないので、一枚岩になるのは困難です。

アリの場合だと、地面に落ちたフェロモンを追って、行列ができます。
このフェロモンは、時間が経つと弱くなり、消えます。
少数派のアリが近道を見つけると、近道のフェロモンは強いので、自動的に近道を選ぶ列ができます。

ミツバチもアリも、それぞれ集団が生き延びるシステムを持っています。

ただひとつ言えるのは、人間は「ミツバチの行動から学ぶことができる」ということです。