1人称視点のゲームをプレイしています。
プレイヤーは、ライフル銃を持っていて、前方に敵が見えます。
ライフルを構え、照準を覗きます。
敵は少し下。
コントローラーの下を押して、照準を合わせます。
あれ? 画面の照準は、上を向きます。
なぜ? 上下逆では、狙えない!
コントローラーの設定が上下反転になっているのです。
上を向ける時は、下のボタンを押します。
下を向けるときは、上のボタンを押すのです。
この設定は、なぜでしょうか?
目次
フライト・ゲームの操縦かん操作
飛行機の操縦かんは、自分に向けて、下にレバーを倒すと、上昇します。
自分より向こうの上方向にレバーを倒すと、下降します。
始めてフライト・ゲームをプレイする人は、上昇するのに上ボタンを押してしまいます。
急降下して、地面に激突します。
ゲームは操縦かんではなく、コントローラーだからです。
この感覚は、不思議に思えるかもしれません。
しかし、単純です。
- 操縦席に座っている感覚では、上下は逆方向です
- 画面の飛行機を動かす感覚では、上下は正方向です
オモチャの木馬をイメージすると分かりやすいです。
後ろ下方向に重心を移動すると、上を向くのが分かります。
3Dの一体感を楽しむため
上下反転の操作は、一体感を味わうことができます。
飛行機やバイクのゲームは、上下が反転しています。
これは、画面の物体を2Dで動かしているのではなく、3Dの感覚で操作するからです。
まるで、操縦している感覚になります。
一方で、2Dのゲームは、一体感よりも操作感を楽しめます。
ただし、横スクロールのバイクゲームは、上下反転が自然です。
3D・2Dに関係なく、操縦感覚を楽しめるように作られています。
なぜ照準が逆なのか
飛行機やバイクが上下逆なのは、直感的にも分かります。
しかし冒頭のように、ライフルの照準は、なぜ上下逆なのでしょうか?
以下の図だと分かりやすいです。
後ろに反ると、体の位置が下がるからです。
したがって、体の位置が下がれば、目線は上を向きます。
「体の位置をコントローラーで動かしている」という感覚なのです。
私は、これに慣れません。
コントローラー設定で、上下を正方向にします。
左右も反転にする人がいる
驚くことに、左右を反転させる人もいます。
これも、体の重心を基準にするからです。
想像力が必要に思えますが、慣れるのは簡単です。
世界が反転しても慣れる
上下左右が反転したメガネを掛けると、どうなるのでしょうか?
1950年から1960年に渡って、科学者が研究をしています。[※]
驚くことに、1週間程度で反転世界に慣れます。
私たちは、様々な環境に適応できるのです。
たとえ反転した世界に生まれても、最初からその世界だったように、生きることができます。
空間認知のスキルが高い
人間は、空間認知のスキルが高い生き物です。
(他の動物も、そうかもしれません)
私たちは、時速15kmで走ることができます。
がんばっても時速20kmです。
ところがクルマに乗ると、時速100kmでも操作できます。
時速20km以上で走れない生き物なのに、時速100km以上に耐えられます。
適応能力が高いことが分かります。
スペースハリアーという奇妙なゲーム
スペースハリアーという3Dゲームがあります。
自機は、人間です。
なのに、アーケード筐体は、飛行機と同じような操縦かんです。
人間は、空を飛べません。
したがって、操縦かん操作は、奇妙な感覚です。
空を飛べないから、直感的な操作が分かりません。
スペースハリアーをプレイした人は、どんな感覚なのでしょうか?
私は未プレイなので、気になっています。