「8〜9時間以上の長い睡眠は、死亡率と相関する」という研究報告がたくさんあります。
例えば、以下のような研究報告です。
- 10時間以上の睡眠で脳卒中や心血管疾患のリスクが50%前後上昇する。[※1]
- 9時間以上の睡眠で、脳卒中のリスクが増大。[※2]
- 1.Self‐Reported Sleep Duration and Quality and Cardiovascular Disease and Mortality: A Dose‐Response Meta‐Analysis | Journal of the American Heart Association
- 2.Sleep duration, midday napping, and sleep quality and incident stroke
もしかしたら、メディアやSNSでも、聞いたことがあるかもしれません。
一般的な科学の知見では、人間には7〜9時間の睡眠が必要です。
短い睡眠は、避けるべきです。
一方で長い睡眠について、気になると思います。
私も「長い睡眠が健康リスク」という研究を見て、ちょっと焦りました。
目次
何が原因かを調べる
研究報告は、相関関係です。
「睡眠が長いから健康リスクが増える」ではありません。
因果関係がハッキリしていないのですが、多くの人は誤解します。
例えば「9時間以上寝るのは危険」という解釈です。
ですから、伝える側は、「その理由は何なのか?」「どういった原因が考えられるのか?」ということまで、伝えなければいけません。
肥満との関連
研究報告では、9時間以上の睡眠をする人は、メタボリックシンドロームの傾向があります。[※]
「メタボリックシンドロームの原因は、長い睡眠ですか?」と言えば、「いいえ」ですよね。
つまり、普段の生活習慣に問題がある人は、「9時間以上の長い睡眠をしている」ということです。
適度な運動も必要です。(適度とは1週間に150分以上の運動)
これで、ある程度の不安は取り除かれました。
(私も休日に、9時間以上寝ることがあるので、少し安心しました。そして、生活習慣には、気をつけようと思います。)
警告の可能性
そうは言っても、毎日9時間以上寝るというのは、何かしら警告の可能性があります。
健康診断の時に、相談してみてください。
また、睡眠時無呼吸症候群の可能性も考えられるので、医師に相談すると良いでしょう。
最近では、多くの病院で睡眠時無呼吸症候群の検査ができるようになっています。
診断するようなスマホのアプリもありますが、(私はたくさん試しましたが)どれも使えませんでした。
睡眠の研究は難しい
睡眠の研究は、難しいという事実があります。
私たちは、同じ睡眠時間でも、よく眠れたり、あまり眠れなかったりします。
つまり、様々な要因が関連します。
人間は、失恋もするし、気分が良いときもあります。
個人の報告にもとづく
基本的に研究報告は、公正です。
しかし、個人の報告に頼ります。
これは必ずしも、個人の報告に「睡眠の質が正しく反映されている」とは言えません。
目覚めが良かったのに、日中は眠かった。(仕事が暇だったので)
目覚めが悪いのに、日中は眠くなかった。(仕事が忙しかったので)
最後に
健康状態が悪いと、睡眠が増える可能性があります。
私の見解では、休日にたくさん寝るぐらいは、問題ないと思っています。
あまりに睡眠が長いと、医師に相談した方が良いでしょう。
私の周りに、睡眠時無呼吸症候群で治療を受けている人は、たくさんいます。(扱っている病院は、たくさんあります。民間療法に頼らないでください。)
私は医師ではないので、こういった記事を書くのはどうかと思いましたが、医師が「9時間以上寝る人は、脳卒中のリスクがある」という発信をされてるのを見ました。
それはちょっと不安ですよね、と思ったのであえて記事にしました。
「8〜9時間以上、寝てはいけない」というわけではありません。